nyoraikunのブログ

日々に出会った美を追求していく!

神島フェリー旅:三島由紀夫『潮騒』の聖地を巡る冒険

鳥羽水族館から佐田浜港まで
鳥羽水族館を後にして、歩くこと約10分。歴史ある佐田浜港に到着しました。マリンターミナルの待合室に座ると、NHKで大相撲の放映が目に入ります。日本の国技が全国で毎日放送される様子に、日本文化の深さを感じざるを得ません。

神島行きのフェリー
待合室で見かけたのは、神島行きのフェリーを待つ高校生。後ろに赤いバッグを掛けたおばさんが、孫のために持ってきたフランクフルトを2本渡している場面に出くわしました。久しぶりの再会に「もう高校生になったのね」と笑顔を交わし、暖かい家庭の一面を垣間見ることができました。まるで『潮騒』の一節を思い出させる、心温まる光景でした。

神秘の島・神島への船旅
フェリーに乗って約25分。答志島を抜け、四方を海に囲まれた神島に到着します。初めての海の旅に少し緊張しつつも、船橋越しに見る島影は、まるで水平線から現れる神秘的な兜のように映りました。

島の風景と文学の響き
神島に到着すると、美しい風景が広がります。かつて銭湯だった場所は今は喫茶店となり、どこか懐かしい雰囲気を醸し出しています。島一番の名所である八代神社への階段も見逃せません。かつての高校球児だった頃の体力はもうないけれど、登るごとに心が清められていく感覚を味わいました。

神島の素顔
灯台に向かう道は、まるで時間が止まったかのような静寂に包まれています。蜘蛛の巣や大きな蜂、クロアゲハの蝶が飛び交う中、島の自然がそのまま残っている様子に、これが本来の神島の姿なのかもしれないと感じました。


三島由紀夫の『潮騒』は、この神島へのラブレターとも言える作品です。島の風景や人々の生活が、美しい文章で描かれています。彼が滞在した寺田邸も訪れることができ、文学と現実が交錯する瞬間を味わいました。

島の生活と文学の融合
神島での生活は、まるで『潮騒』の世界がそのまま現実に蘇ったかのようです。母親と蝶のエピソードや、灯台を巡る新治と初江の物語が、今でも島の人々の心に息づいています。

結び
鳥羽から神島への旅は、過去と現在が交差する不思議な体験でした。美しい風景と人々の温かさ、そして文学の世界に浸ることができ、心に残る旅となりました。次はどんな旅が待っているのか、楽しみです。

 

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