nyoraikunのブログ

日々に出会った美を追求していく!

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婚活 脈なしでも根負けしない!


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前回のメール↑

もう脈はほぼ断たれた。9割5分駄目だろうけど、言葉の力を信じてメールを思いの枯れるまで送り続ける。
「老人ホームから帰った母が涙目になっていて、祖母の弱っていく様子を目の当たりにして思うところがあったそうです。
そういった現場に、勝手に図録を送る恐ろしいことをしてしまい慙愧に堪えません。さらに感情的になったまま、誹謗中傷するようなメールを送り付けてしまいました。もう決して許されないのでしょうけど、私の気持ちだけでも聞いてくれるだけで救われます。
いまだに、あなたへ恋しています。
2人兄弟の弟として育ったことから、2人姉妹の姉に惹かれるところがあります。
妹の彼氏が優しい人だと見守るように微笑んでいるところ、駄目よ、高いから払うんでしょと良心に問いかけてくるようなところ、芝居の内容が変わることなんかある?と真心を求めてきているようなところ、「アナと雪の女王」が四季でやるんだと真面目にパンフレットを見つめている姿に、女性の支えとしている世界を姉として守ろうとしてきた人生が垣間見れて胸に迫ってきます。
精子卵子へ向かうように、男性は一途であることから、充実感を得られるところがあって、今、可能性がなくても、君に少しでも迫ろうとしているだけで幸せです。
女性は、多く言い寄ってくる中から男性的魅力、社会的地位、お金と3つを秤にかけて選ばなければなりません。君の状況に思いをはせれば、容姿や雰囲気、プロフィールの魅力は高く申し込みが絶えることはないでしょう。しかし、33歳女性の婚活は最も難しいとされています。
話の波長が合う人や、セックスアピールの備わっている人を選ぶなら、同年齢か年下と食指が動きます。けれども、同い年ぐらいは、子作りを考えて、20代を本命と位置付けている人が多い。社会的地位や年収の高い人と一緒になり、安定した生活を願うなら年上もありでしょう。そう考えると、私はツヴァイの中で、いずれも低スペックの部類に入ります。
何故、君がわざわざ池袋まで会いに来てくれたのかをずっと考えていました。昔から結婚相手として男性が避ける2つの性格が懶婦らんぷ(なまけもの)と悍婦かんぷ(利かん気、気が荒いもの)です。君は顔がそのまま性格のような薄っぺらい人ではなく、娼婦猫がメモリーを歌うことに思いをはせる奥深い人です。猫を被って、本当に好きになった人とお付き合いを続けていても、本来の気の荒さに気づいて去っていくことになれば、深く傷つき、悲しみ、苛立つでしょう。そのストレスが仕事にも悪影響したら私も辛いです。そして、君を守る資格を得るだけの魅力の無い自分を顧みれば、自らが引き裂かれる気持ちになります。寒気のたえない一続きの、冬の青空に願います。Yさんの幸せのためなら、私の命など亡くなり、星になっても構わない。」

婚活 ボタン一つでサヨナラはさせないo(`ω´ )o

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↑前回返事がきた内容。↓それに対する返事!
大変申し訳ございませんでした。2度とそのようなことはしませんので、ご安心ください。図録は、老人ホームに、本棚がある憩いの場でもあれば、そこに置いても構いませんし、捨ててもいいです。
スタバの前でお会いした君は、池袋の服部珈琲舎の時とは別人でした。12月はパートナーが辞めたことで休みがとれない、夜勤がピンチだと話していて、それからずっと脳裏に不安や怒りを煽るものが絶えずあるようで、気になっていました。会話もしないで帰途につくのもなんだからと誘った居酒屋では、ハフスブルク展に行った? と聞いたら、「行ってないよ」とお怒りになられました。
1年婚活をしてきて、お金を出す人は初めてでしたし、また福祉の仕事をされているしっかりした方だから、可否の返事一つこないのは、凄くお怒りになられたのだろうと考えました。
YOUTUBEチャンネルをメールに添付したこと、不必要に賞賛したこと、多く申込みがきたため自分が不要になったのではと自信が持てず、君の悩んでいる話に、真摯に耳を傾けられなかったこと、動物がいっぱいいるよとか、会場のゴミのことを指差しているのに、共感するような応えができなかったこと、出身校やこれまでの交際歴を聞いたこと等、思いめぐらして鬱々としていました。いずれも自信の無さからくる振舞に原因があったかもしれません。
ハフスブルク展に行けていないよと怒鳴っていたから、ネットで調べると、熨斗をつけたギフトとして図録が送れるようだったので、老人ホームは入居者もいるし、違和感ないかとヤバいけど送りました。
また、Yさんに一目惚れして恋心が湧いていたこともあり、もの凄い後悔と失意で何も手がつかなくなっていたんです。ここまですれば返事がくるだろうと予想しました。
 お会いした時点で私に対する猛烈な怒りが無いとすれば、それは君の性格だと言えるでしょう。君のことを長年連れ添って、良く理解している人でないと、付き合いを続けることは難しいです。ましてや時短を求めて男女が集う婚活という場では、相手を見つけることは出来ません。無駄に時間が過ぎていきます。信頼関係は互いのエゴをぶつけて争う中で本来築いていくものかもしれませんよ。
35歳からは高齢出産だと気にされていたし、貴重な時間を無駄にして欲しくありません。我が子を見つめて幸せに微笑んでいるYさんであって欲しいと切に願うあまりにしたことです。どうかご容赦ください。

婚活 荒治療ゆえ返事来る!^_^

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お返事が全くできていなくて、ごめんなさい。

職場だけでなく、今、いろいろ考えることや、やらなくてはならないことが多くあり余裕がありません。


正直に言いまして、職場へあのような形で物を送られても困ります。
自分の身に覚えもないものが、自分の名前で、知らない電話番号と共に職場に送られてくる。問い合わせをしても、やっぱり全く身に覚えがない。あまりに怖くて、仕事に集中することに時間がかかりました。
受け取るに受け取れないものを、自分の名前であれば、身に覚えがなくても、なんだかわからず怖くても仕方なく受け取ったとともに、私自身、私物を職場に送るなどと考えたこともないし、同僚もそう思ったのでしょう。どうしたの?なに?と心配されました。怖いです。

私はお伝えしたはずですが、自分の意志でCATSを観に行くと決めました。
また、もう前のことになるのでお忘れかもしれませんが、マリーアントワネットが好きな友人とハプスブルグ展へは行くこと、その日程も調整済みでありました。なお、すでに行って来ました。
なのでなおさら、自分がおかしくなったのではないかとも思いました。でも、間違いなく注文するはずも、職場へ送ることもあるはずがないんです。


大変申し訳ないのですが、私はご想像頂いているような素敵な人間ではありませんし、自分の価値観のもと、観劇料はお渡しすると決めていたんです。お断りされようとも、自分が観ると決めたのに、お支払しないという選択肢は私にはなかったし、これからもです。
この時点で、価値観もものの見方も大きく違うのです。私たち。
そもそも、お付き合いを始める前の段階です。


確かに、男性のお給料で女性が生活していた時代もありました。
ですが、私は男性のお給料に全部頼る気もないですし、なにより、高給取りの男性だからといって、その方がモテるとは思わないのと、それだけで人を好きになったり、結婚の相手として見るわけではありません。


そうはいっても、今はただただ怖いです。それ以外に何もありません。
言い方がきつく感じるかもしれませんが、この先に…という未来は考えられません。

婚活 さようならヒステリックな愛しき人よ


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Yさんの勤める老人ホームにハプスブルク展の図録を送ったら、従業員にそのような名前はいないと突っぱねられた。当初予定の日曜日20時では無く、本日、19時にメールを送ることにした。
下記の内容をメールした。

 Yさん

 こんばんは!
職場で大変な話をもっと聞いてあげられれば良かったです。ステキな方だから、多くの男性から申込みがきて、今後、予定が入れられないことを示唆しているかのようにとってしまい、半信半疑でいたことを後悔しています。
 正気の沙汰では無いですが、せっかくハプスブルク展に行ける時間があるのに、キャッツに来てくれて申し訳なく、図録を送らせていただきました。本当にごめんなさい。
 祖父が日本製鉄の役員だったことから、老人ホームにいる祖母は、利息だけで生活できたようです。結婚する相手によって人生が大きく変わります。高スペックの男性に女性が群がるのもそのためでしょう。
子供がいて幸せそうに微笑むYさんの姿を目にすればあきらめもつくでしょうが、魅力溢れた君が何故婚活しているのか考えているうちに、恋していました。夜中目が覚めると、涙で枕を濡らしています。
どうか怒らないでください。スタンダールによれば、1%の自惚れと希望があれば恋はできるそうです。
きっと、海賊猫の横で世話をしている猫に目を奪われていたように繊細で真面目ゆえにヒステリカルになりやすく、男性がある所で怖気づいてしまうのではないでしょうか? 
ほとんどすべての男性は感情のゴタゴタに傷つきやすく、タブーに触れられることに耐えられません。
社会性を備え正義感の強い君をヒステリーだと指摘している訳では決してございません。 
ヒステリーは、声が出ない、痙攣して動けない、突然、暴れてしまう等と日常生活に支障をきたします。フロイトはヒステリーを自由連想法を用いて治療しました。そして、患者が自らの無意識にある原因を言語化できた時、今までの異常な症状が嘘のように消えるのを発見したのです。これを自ら行い作品化するのが作家であり、私が大学生の頃から書き続けてきたのは、いい仕事につけるためでもなく、年収が上がるわけでもなく、普通に人と触れ合い、多くを受け止められるようになるためでした。20年近く心の井戸を掘り続けてきたことが、君とお付き合いする上で大きな力になるという自惚れを抱いています。
貯金が2000万円近く気付いたら貯まっていました。全てお渡ししたいです。自分にあるものは全て渡しても構いません。
どうかこれだけは信じてください。
誰よりも君のことを愛しています。そして君の幸せだけを祈っています。

婚活 オシャレを求めて南大沢アウトレットモールへ



前回のキャッツ婚活デートは、わからないことばかりだった。仕事にも支障をきたすほど、悩んでいる。珍しく波長の合う人であったから、名残り惜しく、後悔は存分にある。今日、彼女の老人ホームに、彼女が忙しくて行けないとぼやいていたハプスブルク展の公式図録を贈ってみた。7日(土)着ということだから、8日(日)の夜に、最後の、ありったけの私の思いを述べたメールを送ることにする。その際、はてなブログにもその内容を公開するつもりだ。 www.xn--fhq32lm4eoko24c48b.com]

彼女に会う前日、京王線大沢駅にある三井アウトレットモールで買い物をした。気合いを入れた分、喪失感も大きいというのもあるけど、結構、有名なセレクトショップが集まっているので、ここに紹介したい。
ユナイテッドアローズビームス、シップス、チャオパニック、アーバンリサーチの店で買えば間違いがないと、どこかのブログであった。探してみると、シップスだけが撤退していて、その他の店名はあった。私はアーバンリサーチのマネキンが着ている一式をすべて買うことにした。
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カーキ色のセーター、白い下シャツ、黒のテーパードパンツ、薄い灰色と白のスニーカー、ネイビーのチェスターコートで2万1千円。コートが1万8千円から5千円に値下がりしていたことで、随分安くあがったようだ。
アーバンリサーチは、結婚してオシャレにお金をかけられなくなった人達のためにという考えが反映されているらしく、他のセレクトショップより安い印象を受ける。本当は、Theoryのマネキンが良かったのだが、一式で購入すると、10万円を超えていたので二の足を踏んでしまった。
財布も、COACHの2万円にしようか、BEAMSの1万円にしようか迷った。COACHの方が明らかにものが良く、しかし、財布で2万円は高いのか低いのかと自問する中で、結局BEAMSに落ち着いた。
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女子高生や女子大生らしき人達が、一緒にウィンドウショッピングを楽しんでいるようだった。中にはまとめて購入していくものもいる。NHKの「ドキュメント72時間」で取材でもすれば面白い。帰りに、和食・自然食バイキングの「はーべすと」で食べて帰った。1時間に1度、ローストビーフと天ぷらが出される。いつも夕食は外食だから、健康にいいものを時々食べたいと考えて入った。値段が2100円だった。

犬が可愛いから写真をこっそり撮った。飼い主の方に気付かれたが、微笑んでいた。

婚活 再三のメール もう無理かなぁ?

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下記の彼女への好意が冷めないため、返事も来ないのにメールした。
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「池袋の服部珈琲舎で11月中旬に初めてお会いしました。
 動物の話をされている時の楽しそうな表情や、勝手に会計を済まそうとすると、何をしているのと怒ったように歩いてくる姿が愛しかったです。婚活では、男女共に複数の異性と同時に交際を続けているから、急に音信不通になったり、思っていた人と違うから疲れが溜まってきたりして、すれてくるのかもしれません。
 素直な気持ちを飾り気なく表そうとするYさんのままでいて欲しいと居たたまれなくなりました。それで、キャッツに招待して、いい食事でも召し上がってくれたらと考えたんです。でも、キャッツの入場口前で茶封筒を取り出して、駄目よぉ、高いから渡すんでしょと怒ったように差し出されました。そのお姉さんのような姿が大好きです。1年間、婚活をして、こんな気持ちは初めてです。もう私はツヴァイをやめます。
年明けでもいいし、いつでもいいから、またどこかで会いたいです。」

おそらく返事は来ないだろう。次の手は打ってある。1週間後にみなさんにその内容をお伝えする。

キャッツデートの彼女は怒り狂った別人格であった。


↓下記のメールのやり取りを経て、実際、大井町のスタバの前で会った。
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初対面のCAFEでお茶した時の状況はこちら↓
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今回のデートで彼女のことが心底わからなくなった。何故これほど始終苛々しているのか。そのため、状況を詳細に記すことにした。長文を失礼する。

グレーのロングコートを着て、首回りには、ふかふかに結んだキャメルのマフラーを巻いてベンチに腰掛けていた。オシャレだなぁとあらためて感心した。しかし、目が鋭く前を凝視していて、何か不満があるように思えた。私と目が合うと彼女は勢いよく立ち上がった。
「もう行くの?」
「今、行ってもまだ開場していないから、ちょっとここで休んでいきましょうか」
 何か落ち着かない感じがした。婚活では、相手も複数の方と同時進行しているから、内実、その不満から苛々していることが多い。綺麗でオシャレで会話も洗練されている彼女のことだから、申し込みやその継続も多いだろうし、私がその中で埋もれてきているだろうと考えた。お別れを告げる1日にしようとするYさんの腹積もりかもしれない。
「ごめんね。返事が遅くなって」
「いえいえ、忙しい中、催促してすみません」
「12月は休みがほとんどとれないよ」
 やはり婚活が忙しくなってきたのだろう。私ははじかれたのだと、耳から下がる小さく青い水晶に目をやった。ビジュアルの細かいところまで決まっていて、これなら、男性の心を虜にするのも無理はない。私にとって、しょせんは高嶺の花なのだ。
「お仕事、大変ですか?」
 はいっ? と怒りを堪えるように顔を向ける。
「パートさんが急に辞めてしまって、夜勤がピンチだから、他の老人ホームから手伝いに来て貰っているけど……」
「自分のところも、一年で一番大変な年末商戦を終えたら、派遣でバリバリ刺身を切ってくれている人が辞めるから、パートナーを補充してもらっているけど、年明けから大変だなぁと思うよ」
「でも募集すれば入るんでしょ」
「他の店は、募集しても来なくて困っている話を聞くけど、今働いている店では、それなりに入ってくる感じかな。今、忘年会、クリスマス、年末年始と大変な時期だから、困ったことだね」
「繁忙期は無いんだけど、いつも定住している訳だから……それにしても、夜勤をどうしようかと困っていてね」
クリスマスパーティーでも、それぞれ食べてはいけないものがあったりする訳だから、簡単にメニューとか決められないよね。大変じゃない?」
「提携している医者がいるんだけど、こういうのは駄目とか言ってくるけど、この先、長く生きられないんだから、好きなもの食わせてやればいいんだよ」
 と吐き捨てるようなキツい言い方をする。介護リーダーのらしからぬ発言に恐怖を抱いた。不機嫌になる負の感情が心を覆ってくるようで、笑顔になったかと思うとすぐに口元が震えていたりしている。癇癪の虫がしつこく、心中を駆け回っているようだ。
 開場の時間が迫っていたから、劇場までの道を案内することになった。
白い円形のキャッツ劇場が現れると、黒だと思っていたら白なんだと驚きを隠せないようだ。入口に向かう1本の狭い通りを歩いていく。彼女はバッグから封筒を取り出して、チケットの代金と渡してきた。高いからと断ると、高いから渡すんでしょ、駄目よとお姉さんのようにうなずいてみせた。おごってもらって当たり前という女性ばかりの溝の中に咲く蓮華のように美しいと思った。君を守りたいと思った。
 劇場に入ると、猫目線にさせるために、すべてのゴミのオブジェが通常より大きくなっている。Yさんはあれこれ指を差しては、楽しそうにしている。
 
入場口で貰ったライオンキングのパンフレットを眺めていると、動物が沢山出てくるよと興奮した調子で話かけてくる。前に見た時より、動物の格好もよりよく変えているみたいだってテレビでやっていたねと応えると、白けたのか、急に顔を背けた。一度、席を立ち、トイレに行き冷静になってみた。席に戻ってから、それとなく話し掛けてみた。
「ライオンキングは動物が沢山出てくるけど、キリンの首が天井につくぐらい長かったのと、鳥をヒモで飛ばしていたよね」
「そうそう、私、鳥を飛ばしている役者のすぐ傍で観ていたの」
 前半を終えてから、途中休憩の時間に、喉は乾いた? と聞くと、バッグの中にあるからと受けつけない。通路に出てからは、楽しくなってきたのか、黄色い毛をした猫はいつ出てくるのかなと急に笑顔になった。海賊姿の猫もまだ出ていないよねと興味津々だ。一番可愛いのは黒と白の格好をしたマジシャンの猫らしい。
 舞台を終えてから、あまり気がないみたいだから、居酒屋でも行こうかと軽く誘ってみた。いいよとキツい顔をした。大通りに出て、横断歩道を渡ると、左手に居酒屋名物家の看板がある。6月頃に婚活で、ある女性と来たお店だ。料理がとても美味しかった思い出がある。
 メニュー表を前にしても、彼女はホットウーロン茶を頼んむだけだった。私は、ビールと刺身だけを注文することにした。
「開演前に隣でサンドウィッチを食べ出したおばさん達がいたじゃん。ふざんけんなよと思ったよ。食べる場所じゃねえだろう」
 相変わらずYさんはぼやいている。
「上演中に、携帯がブルブル鳴っているから、誰かと思ったら、例のパニック障害の担当者で、明太子出しますなんて言うんだよ。そんなこと自分で判断しろよと思うよ」
 と相手の感情に合わせてみた。
「それ、おかしいんじゃないの。私も職場のグループラインがあるけど、休みの日は、ブロックしているもん。うるせえとか思うよ。精神が病んでしまって、介護の仕事が出来ないから、栄養士の仕事に配置転換になった人がいたんだけど、栄養士なんているのはいらないのに、我慢してつかっていたら、今度は鬱に休職したりするから、困るんだよ」
 と怒りの感情にとらわれている。金剛力士像のように背後から炎がメラメラと湧き上がってくるのが見えるようだ。何を話しても否定される状況である。
「観劇料を払ってくれてありがとう。婚活をやっていて、自分から払う素振りをしたのは、Yさんが初めてだよ。長く婚活をしていると、いいと思った男の人から、一方的に断られたり、連絡を絶たれたりする経験をすると、人格が歪んでくるんじゃないな。Yさんには、そういう辛い思いだけはして欲しくないから、この度、招待しようと思ったんだ」
「何、沢山の人と会ってきたの」
 と涙目になっている。
「もう1年近くやっているけど、すべて終わっているよ」
 彼女はすぐに厳しい目を向けてくる。
「もうやめようと考えていた時に、Yさんに出会ったんだ」
 この居酒屋で私はトイレで4回席を立った。空きっ腹にビールを入れたから、利尿作用が強く出たのだろう。席に戻るたびに、彼女は携帯でメール文を入力している。クリスマスパーティーの催しもので奏でるウクレレの練習の日程調整のことであったり、実家の尻尾が切れた猫の状況であったり、きっと、婚活で出会った男性からの返事に関わるものもあるのだろう。男性と違って女性は、方々とコミュニケーションをとるために、対人関係が忙しくなる傾向がある。
 妹に彼氏が出来たけど結婚はまだしていないこと、同業者の男性とは結婚したくないこと、この先続けていこうとは思うけど、責任ある役は降りてもいいと考えていること、幼い頃は獣医になりたかったけど勉強があまりできなかったこと、性格が短気であること、舞台作品ではマリーアントワネットが一番好きなこと、上野西洋美術館でも催されているハプスブルク展にはいけていないと怒っていること等をそれなりに話してくれた。 
 私の勤めている会社が株式上場していて世間体を気にするから、担当者が休みだけどちょっと朝だけ出てきてくれるなんてことはないから、大変そうだなと口にすると、それは駄目だよと声を大にして怒りだした。 
品川駅で別れる前に、好きなYOUTUBERはいますかと突拍子もないことを聞いて、彼女が笑った。私が扉を出て、お辞儀をすると、まだ可笑しくて笑っているようだった。その場で立ち止まるべきだったかもしれない。私は大勢に紛れて、階段を昇っていった。
 それにしても、最初にお会いしたYさん、メールでやりとりしていた時の文面から覗かれるYさんとは別人であった。でも茶封筒を手にして
奢るなんてしていたら駄目よとお姉さんのようにうなずく姿、猫の撫で方は上からじゃなくて下からやらないとと説明する姿が思い浮かぶほど、愛しさが湧いてくる。
メールを送る↓
「大変お疲れ様でした。口下手なもので、質問ばかりして失礼しました🙇‍♂️興味深いお話が聞けて嬉しかったです。

10年前と比べると、劇場の外観の黒を白に変えているように、芝居の細部を少し今風にしているようでした。ゴミのオブジェも猫目線に合わせ、大きくて面白かったです。

とてもステキな方なので、お仕事とウクレレだけでなく、他にも忙しいでしょうけど、またお会いできたら嬉しいです!

本日はお寒い中、キャッツのご鑑賞にお付き合い頂き、それも観劇料までと申し訳ない気持ちでいっぱいですが、ありがとうございました!」
2日経っても返事がない。↓
「追記
祖母のニチイ老人ホームも男性スタッフしかいなくなって危機的状況だと、昨日、祖母の面倒をみている叔父から母に電話があったそうです💦介護は体力が必要なためか、女性スタッフがほとんどやめてしまったということです。両親が大変心配しておりました。
Yさんも人材難で大変な状況だったのでしょう。観劇どころではない中、来てくれてありがとうございました!無理しないでお身体をお大事にしてくださいね!失礼しました🙇‍♂️」

あれから4日経っても返事はない。返事も無く関係を終える彼女ではないはずだが、今頃、断りの文面でも考えているのかもしれない。

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