利き腕が無ければ、私は1円も稼げない!

f:id:nyoraikun:20210709235154j:plain仕事中に骨折してから、もうすぐ2週間である。転倒するだけで、骨にヒビが入るなんて、思ってもいなかった。毎日、他の社員が、仕事をしていると思うと、みじめな気持ちになってくる。3週間のうちに、せっかくだから好きな三島文学を読んで、観たかった映画でも観て、自己啓発のために充実した日を送ろうと考えたのだが、どれも尻切れトンボである。

安部公房の評論文を3冊読もうと手にとったが、1冊も読み終えず、どうせだったら、ポプラディアの百科事典でも、全部読んだ方が、語彙も増えるし、いいのではないかと思い始めた。しかし、全10巻を読むとなると、30日間は必要かなと思う。三島由紀夫の戯曲を読破しようとしたが、暗殺を逃れた大臣の話を2時間かけて読んでいると、なんだか、もっと有意義な時間があるのではないかという気がしてくる。きっと、骨折して療養しているのだから、それに即した内容の文学がいいのではと、トーマス・マンの『魔の山』を読み始めたが、あまりの長さに辟易してきて、100ページ読んだところで挫折してしまった。

映画は安部公房が評論文で褒めている『忘れられた人々』『悪魔の発明』『手錠のままの脱獄』『ソフィーの選択』を観た。

どれも安部公房が認めているだけあって、観終わった後に余韻がのこり、考えさせる内容である。

『忘れられた人々』は、メキシコの貧民街で暮らす、題名通り忘れられた人々を描いている。人物描写がリアルで、実際に自分がその場で体験してきたような後味が残る。こんな映画は今まで観たことがなかった。

無理してブラインドタッチをしていたら、骨折した箇所が、急に痛み出した。映画の感想については、今度書けたら書こうと思う。最後に詩を書いてみた。

骨折

利き手がつかえない

前に倒れ込むとき

腕を入れて受け身をしたことで

骨にヒビが入ってしまった

御飯を食べるにも

ものを書くにも

歯を磨くにも

思い通り何もできない

このままだったら

給料を支払ってくれる場所

どこにもないんだね

婚活で知り合った

女の子にメールをいれた

また会いたい また会いたい

怪我をして生命の危機感を持つと

子孫を残そうと頭が働いて

妖艶な女性の舞う幻が浮んでは消えていく

菩提樹の釈尊はこの煩悩を乗り越えたのであろうけど

私はすべての身をまかせて

そのまま天上にまで昇っていきたい

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この記事を書いた人

鮮魚の現場で働きながら、美術館・博物館、文学、映画、旅、仕事や人生について、実際に見たこと・経験したことを自分の言葉で記録しています。検索でたどり着いた方にも、何か一つ持ち帰れる文章を目指しています。

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