初恋の人へ!ストーカーの記録2(2012年)

「昨日のことを思い出すと、足下から不甲斐なさや情けなさが胸奥にこみ上げてくるようです。30歳をすぎて何をしているのでしょう。

 学生の頃、SMAPの東京ドーム公演で警備のバイトをしたことがありました。遠くの席からステージに向かって名前を泣きながら叫ぶ女性が多いのに驚きました。幻想が人に与える力でしょうか?それを見るなり引いたけれど、私だってイリュージョンに連れられて今日まで生きてきたのだと思います。

 現実感覚を失うほどになると、私のように愚行を招いてしまうのでしょう。

 今、魚屋の仕事を終えました。冬のまな板は、冷たくて……早く春がきて欲しいです。

 もし君が怒りや恐れもなく読んでくれていたら夢のように嬉しいです。本当にごめんなさい。」

「初めてメールしてから15分間、身体の震えが止みませんでした。よからぬことを起こしてしまった、君がどんなに思うだろうと想像するだに恐ろしくなってしまったんです。

まだ動揺しているのか、ブリを発注し忘れて、売場に旬の寒ブリがありません。それで今日はお客のクレームに追われていました。

小6のとき、友達と落合3-2の君の家へ一度遊びに行ったことがあります。そのとき、肝玉が大きくてさばけたお母さんが、ダイニングの椅子に腰掛けて、背中越しに私達のやり取りを聞いていました。

そして、強く優しい背中から、もうご飯の時間よと開けっ放しの声が聞こえてきたんです。その後のやり取りがステキに素朴で、あなた達親子を好きになって帰ったのを覚えています。

お母さんは元気ですか?おやすみ。……なれなれしくしてごめんなさい。」

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この記事を書いた人

鮮魚の現場で働きながら、美術館・博物館、文学、映画、旅、仕事や人生について、実際に見たこと・経験したことを自分の言葉で記録しています。検索でたどり着いた方にも、何か一つ持ち帰れる文章を目指しています。

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