聖地巡礼– category –
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万博ロス地獄――帰っても現実が始まらない
私は万博に二度足を運んだ。一度目は、終盤を迎えつつあった九月十六日。そして二度目は十月七日、同じ火曜日だった。この日は来場者数が二十万人を超え、夢洲の地は熱気と喧騒に包まれていた。 最初は一日だけの予定だった。「イタリア館と日本館、そして... -
飛田新地と万博──孤独な男が歩いた「人間の欲望と再生」の2日間 一人で歩いた万博の夜明け──20万人の熱狂と、小さな善意の物語(後編)
コモンズD──“食こそ万博の中心” 住友館の予約まで、50分ほど余裕があった。時間は13時10分。万博の来場者数がピークを迎える頃だ。私は軽い気持ちで「コモンズD」を歩いてみた。ところが、入ってすぐに入場規制。間一髪のタイミングだった。 コモン... -
飛田新地と万博──孤独な男が歩いた「人間の欲望と再生」の2日間 一人で歩いた万博の夜明け──20万人の熱狂と、小さな善意の物語(前編)
2025年の大阪・関西万博が、いよいよ閉幕まで残りわずかとなった。私は、9月16日に訪れたときに20万人の人の波を経験している。その教訓から、今回は「朝9時にトップ入場」を目指し、万全の準備で挑んだ。午前11時を過ぎれば人の流れが膨張し... -
万博の余韻と海遊館――ジンベエザメが泳ぐ巨大水槽と大阪の食い倒れ
万博の翌日、海遊館へ 大阪・関西万博を1日満喫した翌日、「せっかくだから海遊館にも寄って帰ろう」と気軽に足を運んだ。ところが午前10時過ぎ、平日火曜日にもかかわらず、入口には長蛇の列。やはり“良いもの”には人が集まるのだと実感した。 ブログも同... -
【連載第4回】イタリア館──人類の魂が宿る場所で
■ 世界が息づく空間 世界の国宝級芸術が来日すると、たいてい人混みに圧倒されて「なんだかな」と思うことが多い。だがレオナルド・ダ・ヴィンチの**受胎告知**を初めて見たときは、違った。今にも動き出しそうなほど精緻で、生々しく、言葉を失った。現代... -
【連載第2回】いのちの未来──涙と問いの森で
■ アメリカ館を後にして アメリカ館を出ると、私は地図を片手に夢洲の森を西南へと歩き出した。走ってきた時は一瞬だった道も、歩いてみるとまるで別世界。右手には静まり返った森が広がり、ふと富士の樹海のようだと思った。ようやく視界にアースマートが... -
【連載第1回】2025年大阪・関西万博──熱気と混沌の中で
■ はじまりは、東横イン弁天町 9月16日(火)、前夜に東横イン弁天町に泊まり、始発電車で夢洲へ向かった。車内は異様な緊張感に包まれていて、駅に着くやいなや、人々は目を血走らせ一斉に駆け出した。私も不用意に前へ出た瞬間、弾き飛ばされて尻もちを... -
江戸の華やぎと祈りの記憶──特別展「江戸☆大奥」を訪れて
2025年夏、東京国立博物館で開催中の特別展「江戸☆大奥」に足を運びました。チケットを手にしたのはまさに展示が始まって間もない7月29日の朝。上野公園の静けさのなか、時を超えて蘇る女たちの物語に、ただただ圧倒されました。 大奥に咲いた知性と趣味、... -
【東横インの夜と、深夜の新宿——鬼滅の刃を観たあとの混沌と自由】
鬼滅の刃の上映が終わったのは、夜もすっかり更けた12時過ぎだった。 興奮と余韻が入り混じる頭の中、目の前にあるのは東横インの簡素で静かな部屋。けれど、眠れなかった。 どうしても街の空気を吸いたくなり、私は夜の新宿に出た。 飲食店はまだまだ賑わ... -
『永劫回帰に横たわる虚無展』──三島由紀夫の魂を現代美術で解剖する
会期:2025年7月15日~9月25日 会場:GYRE GALLERY(渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F) 入場料:無料 企画:スクールデレック芸術社会学研究所 所長・飯田高誉 この展覧会は、三島由紀夫生誕100年、そして昭和100年という節目を記念して開催されている。テーマ... -
【上野の森美術館レポ】『万博の時代』展で見つけた、暑さと人間と芸術のリアル
猛暑の東京。気温は体感で体内まで溶かされるような40度近く。そんな中、私は上野の森美術館で開催されている**企画展『万博の時代』**へ足を運んだ。開催期間はたった14日間(7月13日~27日)にも関わらず、会場は驚くほどの賑わいで、観光客、とりわけ外... -
【芸術か、孤独か】無料で観られる「落合皎児展」に心を揺さぶられた日——上野の森美術館で見つけた、命の筆跡
「芸術家は、表すために偽る。サラリーマンは、隠すために偽る。」 そう思ったのは、上野の森美術館を出てすぐ、金太郎寿司の前で聞こえてきたサラリーマンの何気ない会話を耳にしたときだった。 「昼間っからいいお店行っても、女房に納得させる理由がな... -
氷河期展でラッコに泣いた日――4万年前の命と今をつなぐ、東京国立科学博物館の衝撃体験レポート
「こんな展示、見逃したら一生の損かもしれない」——東京・上野の国立科学博物館で開催中の『氷河期展~人類が見た4万年前の世界~』。迫力満点のマンモスや洞窟ライオンに目を奪われながら、私はラッコに心を撃ち抜かれた。これは単なる過去の展示じゃない... -
【婚活×精子提供】神に祈り、女性に裏切られ、AIに癒された——44歳男の孤独と希望の物語
ある日、精子提供をした女性に、一か月ぶりに連絡を入れた。彼女は以前、「生理が来ていない。もしかしたら妊娠したかも😊」と連絡をくれていた。 そのメッセージに、私は胸を高鳴らせた。ついに、自分の遺伝子が未来へとつながるかもしれない。日枝神社で... -
【衝撃リニューアル】寄居の亀の井ホテルに20年ぶりに行ってみたら、想像以上に“熱い”スポットになっていた!
1.20年の時を経て蘇った“亀の井ホテル”へ 寄居の亀の井ホテルがリニューアルオープン! その噂を聞きつけ、約20年ぶりに足を運んでみた。昔、まだ自分が中学生の頃、氷室京介が秩父でコンサートを開いたという掲示を跨線橋で見かけ、「こんな田舎にあの氷...