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就職活動! 起業したい方! マジいい本です!『競争優位の選択』について!

MBA経営理論において、MEポーターの『競争優位の選択』は実に面白い。会社の平社員であっても、自分が経営者ならどうするかと全体を見て仕事をするとしないでは、仕事への姿勢も興味も変わってくる。木を見て森を見なければ、ただの部分作業になってしまう。この本における価値連鎖という概念は、会社をみる上で9つの切り口を提示する。
①購買物流②製造③出荷物流④販売・マーケティング⑤サービス⑥調達活動⑦技術開発⑧人事・労務管理⑨全般管理(インフラ)である。

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例においては、モリさんはパンを売っていた。近所でも評判になり、いくつものお店から、あなたのパンを売りたいと連絡がきた。会社をつくり、多くのお店で取り扱ってもらうようになり、工場をつくり株式公開をし、瞬く間に、評判になった。しかし、その頃、他社もモリさんもパンが儲かることを嗅ぎつけて、似たようなパンが流通し始めた。モリさんは先行者利益を得ていたから資金は、結構溜まっているが、売上額が以前より稼げなくなった。どうしよう。

そこでモリさんの会社の企業価値で差別化をはかる時に、考えるには、企業の連鎖価値を把握し、それによって対策を練る必要があるというわけだ。それで上記の9つが差別化政策にとって重要になってくる。価値連鎖が企業の解体新書と言われるゆえんである。

①購買物流
パンをつくるために食材を仕入れる。つまり原材料を購入し、貯蔵する活動だ。
②製造
パンをつくる。つまり原材料の加工。
③出荷物流
焼きたてのパンを近所のパン屋に配送する。製品を買い手に届ける活動だ。
④販売・マーケティング
パン屋に販売する。買い手が買えるようにする活動だ。
⑤サービス
不良品や苦情に対応する。

この5つの主活動で、パンが買い手のパン屋に届けられる。しかし、会社を動かすには、この他に次の4つの支援活動が必要だ。

⑥調達活動
設備・消耗品の調達だ。パン工房の設備をつくり、消耗品を調達する。
⑦技術開発
品質と効率の向上。もっとおいしいパンの製法を開発する。
⑧人事・労務管理
従業員の採用・教育・育成・動機づけ・給与払いが必要。
⑨全般管理(インフラ)
価値連鎖全体の管理。パン工房を経営するのだ。

どんな会社でも社内の活動は、価値連鎖のこれら9つの基本的活動に分けられる。
価値連鎖は、いわば企業という身体のつくりを解明した「解体新書」なのである。それにより、会社の競争優位は、9つの活動のいずれかで生み出されている。競争優位の源泉は製品をつくり製造にあると考えがちだが、必ずしもそうとは限らない。モリさんだけがこだわりの材料を独占して仕入れられれば、購買物流が競争優位の源泉になる。独自の工夫で食べる直前にパンを焼きたて状態で届けられれば、出荷物流が競争優位の源泉になる。
また、ある企業の価値連鎖は、価値システムという大きな仕組みの一部だ。モリさんのパン工房は、供給業者から食材を買ってパンをつくるし、パン屋などの流通業者を経由して消費者にパンを届ける。これら供給業者も流通業者も、社内に独自の価値連鎖がある。それぞれの会社の価値連鎖がお互いにつながり、シナジーを形成し、商品が最終消費者に届くのだ。

私は、とあるスーパーマーケットの1店員であるが、現場では、バブル期に入社した社員が多く、一回り若い世代は、よほど抜擢されないと社内出世できずにきた。そのことが、会社の上層部への不信感を招き、仕事への熱意が薄れていくのを、目の当たりにした。この問題は、老舗企業には、どこもあるのではないか? バブル崩壊を予想した経済学者が当時誰もいなかったことを考えると、その通りであろう。今のロスジェネ世代は、社会人になってから不幸な人が多い。
人口動態図を見れば一目瞭然であるが、入社してからは、ブラックな職場が当たり前で、サービス残業が美談になり、昇進するはずの年齢では、上がつまっているせいで、よっぽど会社から好かれないとチャンスも与えられず、40代になった今では、少子高齢化の影響で、若くて優秀な働き手を少しでも確保しようと、若い者達への給与のベースアップのために、ロスジェネ世代で働きの悪いものの給与を下げる制度をつくり、それを若いものにまわしているのが実情だ。

本当に頭の良い経営者がいたら、バブル崩壊を見越して、採用を行い、対応出来ているだろう。予測された危機は、頭の良い人によって、何事もなかったように見えるのだ。現在でも、相当の危機は、回避されているにもかかわらず、それは、目に見えないものだ。ウクライナ戦争で注目されているロシアのプーチンであるが、こんな逸話がある。
劇場にチェチェン武装組織が乱入し、テロ行為を行ったところ、プーチンは強硬な姿勢を示し、テロのせん滅をはかった。この行動に国民は感動し、彼の政治に沿わない新興財閥から財産を没収し、国民の生活の豊かさに貢献した実績により、プーチンの支持は絶対的なものになったのだ。このテロ行為をせん滅したのは、今になって、プーチン勢力の企図であったということが明白になっている。第二次世界大戦の幕開けと言われている満州事変で、日本軍は南満州鉄道を爆破し、それを中華民国のせいにして、満州を制圧するのと同じことである。

頭のいい人は危機を回避するだけではなく、危機を自らつくりだし、優位な地盤を確保するのにもつかうことを肝に銘じて、世の中と向き合っていくべきだろう!

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カテゴリ
阪神タイガース・プロ野球・スポーツ