
新宿バルボラには、これまで何度も足を運んでいる。
私には、ここの“50分コース”がちょうどいい。程よい距離感でスッと入り、サッと終われる。その淡泊さが、自分の性分に合っているのだ。
ただ、今回は朝7時スタート。
せっかくだし90分に伸ばすべきかどうか――正直、かなり迷った。
不思議なもので、50分は「きれいに終わる」が、心に濃く残るのは90分以上だ。
50分は、言ってしまえば“実用目的”としての完成度が高い。だが記憶としては薄い。一方90分には、なにか物語の余韻のようなものが生まれる。
私の場合、どれほど良い女性でも、2回目になるとどうしても“相手の人生の背景”が見えてしまう。
その瞬間、即物性が壊れ、性欲のスイッチが切れてしまうのだ。行為中にいろいろ考えてしまう自分の性質が、昔から変わらない。
あれこれ迷ったあげく、ChatGPTに相談してみた。
すると「その後にラムセス大王展と日本科学未来館へ行くなら、体力温存のため50分がいい」との助言。
結局、その言葉に背中を押されて、今回は50分でお願いすることにした。

■ 愛内まなみさんとの出会い
案内された部屋で、彼女に会った瞬間、驚いた。
可愛い。いや、“綺麗”と言った方が正確だろう。
顔立ちもスタイルも、声のトーンも、雰囲気も、すべてが自然に揃っている。
雑誌モデルとして街を歩いていても違和感がないし、「どこかの飲み屋で隣に座り、流れで意気投合してホテルへ――」そんな妄想すら成立してしまうタイプの女性だ。
プロフィールには「業界未経験」とあったが、実際には女性向けマッサージ店で5年働いていたという。
だからなのだろう、彼女の仕草の端々に落ち着きと品の良さがある。
考えてみれば、マッサージとソープの違いは「どこまで踏み込むか」だけなのかもしれない。
手慣れた丁寧さは、その延長線上にあるのだろう。
そして何より――彼女は根の部分がとても純粋だった。
社会のしがらみや狡さに敏感で、傷つきやすい。そうした気質があるからこそ、男性は“守りたくなる”のだと思う。
■ 映画の話と、彼女の“距離感”
好きな映画を聞くと、探偵ものが好きらしい。
最近観た『爆弾』は「演技がリアルすぎて驚いた」と目を輝かせて語っていた。
『国宝』も良かったという。
住まいは東京の西側らしく、私も同じ方面なので話も弾みそうだ。
しかし、彼女はどこかで“線を引く”ように毅然とした態度を崩さない。
これは、未経験ゆえの護身術なのだろう。
それを魅力と感じる人もいれば、もっと深い甘い世界を求める人もいる。
だが、少なくとも容姿や所作、品の良さは文句なしだ。
もし彼女を「地雷」などと書き込む者がいるとしたら、それはただの嫉妬でしかない。
■ 万博ロスが癒えた瞬間
世間話の流れで、私が“万博ロス”に苦しんでいることを話した。
すると彼女は、友人からもらったというミャクミャクの小さなストラップをそっと見せてくれた。
最初は「なんだこれ」と思ったらしいが、見ているうちに可愛く思えてきたという。
それは、私自身とまったく同じ感覚だった。
その小さなストラップの中で、ミャクミャクは驚くほど精巧に“脈動”していた。
その姿を見た瞬間、胸の奥で固まっていた万博ロスが、ほんの少し溶けた気がした。
■ そして別れ
部屋を出る間際、彼女はそっと唇を寄せてキスをしてくれた。
その一瞬の温度が、やけに胸に残った。
階段を上るのが嫌だった。
この先には、仕事や人間関係――現実の日常が待っている。
苦労しているのは自分だけではないとわかっているのに、なぜか街に飛び込む瞬間だけ、胸がざわつく。
それでも今日を生き、明日をまた迎える。
そんなありふれた現実に戻る前に、私は心の中でそっとつぶやいた。
「ありがとう、さようなら。そして、どうか幸せに。」
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