社会の羅針盤– category –
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社会の羅針盤
映画『罪人たち』感想・考察 ホラーとして描かれた黒人の歴史と魂の物語
― ホラーとして描かれた黒人の歴史と魂の物語 アカデミー賞最有力候補として話題になっていた映画『罪人たち』を観ました。 仕事が忙しく、最近は物語に触れる機会が減っていたのですが、毎年「作品賞候補だけは必ず観る」と決めているので、今回も足を運... -
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立川静脈瘤クリニックで、僕は「医療ビジネスの正体」を見た
右足から、血が出ることがある。 風呂上がり、気づいたら床が赤く染まっている。 大怪我ではない。痛みもない。 ただ、見た目だけがやたらとショッキングなだけだ。 それでも両親は狼狽する。 「病院へ行け」「ちゃんと診てもらえ」と何度も言う。 心配を... -
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『映像の世紀バタフライエフェクト』戦後沖縄、愛と悲しみの女性たちをみて考えたこと
沖縄の夜は、どこか湿っている。 ネオンが滲み、海の匂いが混じり、人の歴史まで漂っているような気がする。 『映像の世紀バタフライエフェクト 戦後沖縄 愛と悲しみの女性たち』を見終えたあと、私はしばらく言葉を失った。 この番組は、戦後アメリカ統... -
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【東京スカイツリー夜景と吉原サブマリン】
孤独な一人旅で気づいた「人は一人では生きられない」という当たり前の話 指に刺さった鯛の棘が、10日間ずっと痛かった。 東京の夜景よりも、吉原で遊んだ時間よりも、浅草のホテルよりも、 結局いちばん心に残ったのは、病院でその棘が「スッ」と抜けた、... -
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信を問う解散――高市早苗というトリックスターの政治
高市早苗総理は、衆議院を突如解散すると発表した。これは、自身の掲げる政策を全面的に実行することの是非を、有権者である国民に直接問い直すという意思表示なのだろう。現状では、自民党内の派閥力学の中で彼女の裁量は限られており、ある意味では麻生... -
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1997年と2025年――人生で、いちばん幸せだった年
2025年を終え、今日は1月5日。年末年始の商戦がようやく一段落した。 今年の魚は厳しかった。頼みのブリもカキも価格が高騰し、利益を取るのは容易ではなかった。予算は現実離れしており、心も身体も削られる日々が続いた。 それでも――2025年は、私の人生... -
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日本科学未来館に行って気づいた──「未来」を覗くことは、結局“いまの自分”を見つめる行為だった
ムセス大王展を観た足で、日本科学未来館へ向かった。入館したのは午後1時30分。閉館は5時。「4時間半もあれば余裕だろう」──そう思っていたのは、まったくの誤算だった。 未来館の真骨頂は、後述する巨大な展示だけではない。上階にあるドームシアターの... -
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【万博ロスの私が、上野で“5つの展覧会”をハシゴした日】
― 孤独と感動の狭間で、人類の美しさに触れた ― 大阪・関西万博の熱気がまだ身体に残っている。あの大屋根リングの下で、世界中の人々が笑い、語り、優しくなれた――そんな空間を失った喪失感、いわゆる“万博ロス”。 その代わりを探すように、私は上野へ向... -
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【青梅亀の井ホテル】二度目の宿泊で見えた「家族と時代の変化」
【青梅亀の井ホテル】二度目の宿泊で見えた「家族と時代の変化」 リニューアル後、二度目となる青梅亀の井ホテルを訪れた。父は「年に三度は行きたい」と言い、私も「元気なうちに一緒に過ごしたい」と思っていた。しかし、思い出は必ずしも美しいだけでは... -
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なぜ彼女(安福久美子)は19年越しに殺意を抱いたのか――名古屋主婦殺害事件に見る観念の暴走
今回の未解決事件――いわゆる「世田谷一家殺害事件」のように、状況証拠が揃っていながらも長年犯人が捕まらなかった事件――が、ついに逮捕に至ったという報に接した。Yahoo!ニュースで速報を見た瞬間、私は奇妙な安堵と、説明しがたい高揚を覚えた。なぜだ... -
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責任者になって変わった私生活|45歳を前に考える「仕事と夢のバランス」【万博ロスと上野美術館めぐり】
責任者になって私生活が変わった──45歳を前に、仕事と夢の狭間で感じた現実と希望。万博ロスの心を癒すために訪れる上野公園の美術館めぐりを通じて、「生き方」を見つめ直すエッセイ。 責任者になって、私生活が制約されるようになった 責任者として働く... -
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飛田新地よりも幻だった──万博ロスに泣いた夜
あの夜、夢洲の光が消えた瞬間、私は涙をこらえきれなかった。半年間だけ現れた理想の世界──大阪・万博。その眩しさは、七年前に迷い込んだ飛田新地よりも、はるかに幻だった。どちらの世界にも「現実」がなく、どちらにも「優しさ」があった。そして、ど... -
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万博ロス地獄――帰っても現実が始まらない
私は万博に二度足を運んだ。一度目は、終盤を迎えつつあった九月十六日。そして二度目は十月七日、同じ火曜日だった。この日は来場者数が二十万人を超え、夢洲の地は熱気と喧騒に包まれていた。 最初は一日だけの予定だった。「イタリア館と日本館、そして... -
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飛田新地と万博──孤独な男が歩いた「人間の欲望と再生」の2日間 一人で歩いた万博の夜明け──20万人の熱狂と、小さな善意の物語(後編)
コモンズD──“食こそ万博の中心” 住友館の予約まで、50分ほど余裕があった。時間は13時10分。万博の来場者数がピークを迎える頃だ。私は軽い気持ちで「コモンズD」を歩いてみた。ところが、入ってすぐに入場規制。間一髪のタイミングだった。 コモン... -
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飛田新地と万博──孤独な男が歩いた「人間の欲望と再生」の2日間 一人で歩いた万博の夜明け──20万人の熱狂と、小さな善意の物語(前編)
2025年の大阪・関西万博が、いよいよ閉幕まで残りわずかとなった。私は、9月16日に訪れたときに20万人の人の波を経験している。その教訓から、今回は「朝9時にトップ入場」を目指し、万全の準備で挑んだ。午前11時を過ぎれば人の流れが膨張し...