【中途半端な恋の行方】
コロナ禍で活動が制限される中、ふと過去の縁に頼ってみた。宮城県から東京で開かれる婚活パーティに来ていた女性、美香さんのことがどうしても気になり、電話をしてみたのだ。クリスマスパーティで出会い、番号を交換したものの、彼女が宮城に帰る前に会う約束が果たせなかった。それが心残りで、このコロナ禍の中、婚活もままならず、再び彼女に連絡を取る決意をした。
「クリスマスパーティでお会いして、番号を交換して、2日後に宮城に帰るから、その前に会いませんかということだったのですが、仕事が忙しくて行けなかったんですよ。そのことが今でも後悔していて、コロナ禍で婚活もできなかったので、ぜひもう一度会いたい思いがあって電話しました。」
彼女は驚いた様子で、ツヴァイを続けているかどうか尋ねた。
「ずっと休会していたのですが、また始めようと思った矢先、君に電話をしたんです。なんでツヴァイをやめられたのですか?」
彼女は、視野を広げようと考えていたため、今はすでに他の方とお付き合いしていると告げた。宮城の方と素敵な関係を築いているとのこと。
「東京の方で探しているのかとばっかり思っていたものですから、でも相手が見つかって良かったですね。ツヴァイの方ですか?」
「いえ、違う場所で出会いました」
「では、お会いすることができませんね。幸せな結婚ができればいいですね。」
「そうですね。」
彼女の小さくかすれた声が聞こえた。電話越しに、二人の間にあった何かが消えゆく瞬間を感じた。
「電話に出ていただいてありがとうございます。どうか幸せになってください。」
「こちらこそ、ありがとうございます。」
こうして一つの縁が、はかなくも消えていく。人の心は流れ星のように一瞬輝いても、すぐに消えてしまうものなのかもしれない。
【もう一つの再会】
次に電話をかけたのは、かつて斎藤佑樹と早稲田で同じゼミにいた考古学を専攻していた女性。にしじまナオコは学者の道を一度は歩んだものの、現在は市役所に勤務している。思い切って彼女に連絡を取ってみたが、その反応は予想以上に冷たかった。
「コロナ禍で婚活していなかったんですよ。今どうですか?」
彼女は、ツヴァイに籍を置いているものの、活動は休止中だと告げた。
「また会いたいと思いまして。」
彼女は活動を再開した時に連絡すると約束してくれたが、コロナ禍の厳しい状況を考慮すると、外に出ることさえままならないという。
「スーパーも、1店舗でコロナが出たら、閉店して、商品を全部廃棄して大変でしたよ。また機会があればよろしくお願いします。」
彼女の返事は怒りを帯びた強い語調だった。
「そうですね。」
私の強引なアプローチは、彼女の心を逆なでしてしまったのかもしれない。
【次回予告:意外な展開】
今回の電話でのアプローチが失敗に終わったものの、メールで再び連絡を取ってみたところ、意外にも好意的な返信が来た。次回は、その詳細についてお話ししたい。