私はツヴァイの日比谷店で待ち合わせをしていました。予定より1時間早く到着したので、パソコンの画面で以前にお会いした会員の画像を見ていました。キャッツへ一緒に行った、まだ未練のある女性の画像は変わっていませんでした。
その時、後ろで大声でスタッフに相談している女性がいました。彼女は結婚を焦っている男性がいて、その人が在日であることから、実際のところどういう人かわからないという悩みを抱えているようでした。スタッフは「しばらく違う人たちと会って、様子を見てから考えてみては」とアドバイスしているようでした。
私は待合室に戻り、約束の女性が来るのを待っていました。しばらくして、先ほど相談相手をしていたスタッフが戻ってくるなり、「Nさんをお待ちでしたよね」と声をかけてきました。「もう来ておりますので」という言葉に驚きました。まさか、在日の男性の求婚に迷う女性とこれからティータイムになるとは思いもしませんでした。「とりあえず他の男性と会ってみる」という話でしたので、私も気楽に構えることにしました。
彼女に「1階の喫茶店はどうですか?」と聞くと、「あそこは高いから、駅に向かう通りにいい喫茶店があったと思う」と言いました。そこで、以前ポケモン好きな女性と出会いのセッティングサポートの後で話した珈琲館というカフェに入ることにしました。
彼女はケーキが美味しそうだと、メニュー表をじっくり見て興味を示していました。その姿を見て、頭が良い人だなぁと感じました。彼女は早稲田大学の大学院を出ているとのことで、最初は学歴ロンダリングかと思っていましたが、実際には早稲田の教育学部で考古学に目覚め、大学院で26歳まで研究していたとのことでした。彼女はロシア、沖縄、北海道、東北の各地で発掘調査を行い、土器などの生活の断片が出てくる興奮に夢中になったと言っていました。
彼女は斎藤佑樹と同級生で、同じ学部にいたため4年間一緒だったそうです。彼は野球で忙しく、勉強はほとんどできず、ゼミの友人からノートを借りて提出する生活だったとのことです。
彼女がこの2ヶ月で会った男性は3人で、1人は50歳の編集者で、2時間明智光秀の話をしたそうです。もう1人は警察官で機動隊に所属しており、いつ出動の連絡が入るかわからないため、早く交番に戻りたいと話していました。また、彼女は兄が大阪の大学に通っていたが奨学金の返済ができず、親の退職金でまかなったという話もしてくれました。彼女自身は好きな勉強をしたいからバイト漬けの日々を過ごし、親に援助してもらった分を今は給料から毎月7万円ずつ返しているとのことです。
彼女は小さい頃、兄がファミコンを独占していたため攻略本を読み込んでおり、実際にプレイするとスムーズに進行できたので兄が驚いたそうです。ドラクエ3をプレイした時も、ラスボスだけが倒せないため、攻撃を受ける的が一人必要だと気づき、二人でクリアできることがわかったと笑っていました。また、エンドロールで天使を無視するとその天使が現れ、連れて行ってくれないと嘆く姿を見て、ゲームの細かいところまでよく作られていると感心していました。
お別れの際、彼女を駅まで歩いて見送りました。実は私はその後、ソープランドの送迎者が17時40分に入谷口から発車する予定だったため、内心焦っていました。私は最低の人間なのだ、糞なのだ、カスなのだ、腐っているのだと自分を責めました。それでもキャッツに一緒に行ったYさんへの恋心が尽きず苦しんでいました。この2ヶ月、生きた心地がしませんでした。いっそ死にたいとまで思うほどでした。自分の身全てを捧げたいと嘆く自分もいるのです。
しかし、このトルコ風呂で私の心は大分癒されました。次回はそのことについて書きたいと思います。