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ビリー・ホリデーと奇妙な果実: 彼女の歌と人生の背後にある物語

ビリー・ホリデー(Billie Holiday)は、黒人差別と戦った伝説的なジャズシンガーであり、その象徴的な歌「奇妙な果実(Strange Fruit)」は、アメリカ南部で黒人がリンチされ木に吊るされるという残虐な行為を描写しています。この歌は、彼女の人生とキャリアに深い影響を与えただけでなく、アメリカの黒人差別の現実を世界に知らしめました。

ビリー・ホリデーは、離婚した母親のもとで育ちました。母親は売春宿で働いており、ビリーもその店を手伝うことがありました。ジャズクラブで歌っていた彼女は、ジャズ業界で成功を夢見るプロデューサーの目にとまり、デビューを果たしました。瞬く間に人気を博した彼女の歌声は、アンニュイでありながら力強く、暗くよどんでいるようでありながらも、どこか明るさを感じさせるものでした。

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** ※白人達が差別をするロジック
奴隷として連れてこられたというだけで酷い話であり、その歴史をもつ北アメリカ大陸における黒人達が常に非行に走りやすいのは当然であります。そして、奴隷として連れてきたのは、私達とは関係がないと信じる白人の一般市民は、黒人達を警戒し、ナチスユダヤ人を迫害したように、敵として認識されるようになります。白人である市民は、ただ幸せに暮らしたいだけなのに、黒人がいるおかげで、夜に出歩けない。レイプ事件が起きた、暴動が起きた、強盗が起きた、犯人は黒人だ、黒人が、我々善良な市民の生活を奪っているという理屈はいたった当然のごとく連鎖していくのです。しかし、そういう歴史がある以上、人間であれば、仕方がないことなのです。今のイスラエルパレスチナの問題であっても、第一次世界大戦におけるイギリスの介入が根源であることを忘れてはいけないのでしょう。

** 奇妙な果実の背景と影響
「奇妙な果実」は、1939年にリリースされたビリー・ホリデーの最も有名な曲の一つです。この曲は、アベル・ミーアポール(Abel Meeropol)というユダヤアメリカ人の教師が詩を書き、それに曲をつけたものです。彼は、リンチされた黒人の写真を見てこの詩を書いたと言われています。この曲は、南部の木々に吊るされた黒人の死体を「奇妙な果実」として表現し、当時のアメリカ社会に大きな衝撃を与えました。

ビリー・ホリデーのパフォーマンスは、その詩と音楽を通じて、観客に深い感動を与えました。彼女の歌声は、悲しみと怒りを内包しながらも、美しいメロディに乗せてそのメッセージを伝えました。

** ビリー・ホリデーの人生と遺産
ビリー・ホリデーの人生は、決して平坦ではありませんでした。彼女は、麻薬依存や法律とのトラブルに苦しみ、わずか44歳で亡くなりました。しかし、その短い人生の中で、彼女は多くの人々に影響を与え続けました。彼女の言葉、「ジャズシンガーが早く死ぬのは、1日で100日分生きるからだわ。聴衆を喜ばせようと頑張って疲れるからだわ」という言葉には、彼女の情熱と献身が込められています。

** 黒人差別と闘ったサム・クックオバマ大統領

ビリー・ホリデーの後を追うように、サム・クックSam Cooke)もまた、黒人差別と闘う象徴的なアーティストとなりました。彼の代表曲「A Change Is Gonna Come」は、黒人の希望と絶望を歌ったものであり、多くの人々に希望を与えました。バラク・オバマ大統領も、この曲に感銘を受け、彼の選挙キャンペーンや就任式でこの曲を引用しました。
「A Change Is Gonna Come」
I was born by the river in a little tent
僕は川のほとりの小さなテントの中で生まれたんだ
Oh and just like the river I’ve been running ever since
そうそれはちょうど僕がこれまでに流されてしまった川の流れのような
It’s been a long, a long time coming
それは長い、長い時間が掛かったよ
But I know a change gonna come, oh yes it will
でも僕は転機が訪れるってわかるんだ、そうだきっとそうなるよ

It’s been too hard living but I’m afraid to die
僕は死ぬことは怖いけれど生きているのもあまりに厳しい
Cause I don’t know what’s up there beyond the sky
この空の向こうでは一体何が起きているのか僕には分からないから
It’s been a long, a long time coming
それは長い、長い時間が掛かったよ
But I know a change gonna come, oh yes it will
でも僕は転機が訪れるって分かるんだ、そうだきっとそうなるよ
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I go to the movie and I go downtown
映画鑑賞に行ったりダウンタウンに行くと
Somebody keep telling me don’t hang around
誰かが僕に辺りをうろつくなって言うのやめないんだ
It’s been a long, a long time coming
それは長い、長い時間が掛かったよ
But I know a change gonna come, oh yes it will
でも僕は転機が訪れるって分かるんだ、そうだきっとそうなるよ

Then I go to my brother
それから僕は兄弟を訪ねる
And I say brother help me please
それで兄弟にどうか僕を助けてって言うんだ
But he winds up knocking me
でも彼は僕をこきおろしておちょくるから
Back down on my knees
くたびれて諦めてしまう

Ohhhhhhhhh…


There been times that I thought
そこで僕は思い詰めた時があったよ
I couldn’t last for long
長くはやってけないって
But now I think I’m able to carry on
でも今はめげずにやっていけるって思うんだ
It’s been a long, a long time coming
それは長い、長い時間が掛かったよ
But I know a change gonna come, oh yes it will
でも僕は転機が訪れるって分かるんだ、そうだきっとそうなるよ


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** 歴史の自覚と未来への希望
アメリカの歴史において、黒人差別は深刻な問題であり、その影響は今なお続いています。ビリー・ホリデーやサム・クックのようなアーティストたちは、自らの音楽を通じてその問題を訴え続けました。彼らの歌声は、過去の痛みと未来への希望を繋ぐバトンとなり、多くの人々にインスピレーションを与えました。

** まとめ
ビリー・ホリデーの「奇妙な果実」は、ただの歌ではなく、黒人差別という現実に対する強烈な抗議の声です。彼女の人生とその歌は、私たちに人間の強さと弱さ、そして希望の大切さを教えてくれます。彼女が残した遺産は、今なお私たちの心に響き続け、より良い未来への道を照らしてくれます。

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カテゴリ
阪神タイガース・プロ野球・スポーツ