恋に落ちることは、人間にとって普遍的な経験です。特に特別な相手に対する感情が深まり、その人のことが頭から離れない場合、それは「ガチ恋」と呼ばれることがあります。この手紙は、9月7日(水)に風俗店で美咲さんという女性に出会った男性からのものです。手紙を通じて、彼の感情や彼女への思いを紐解いていきましょう。
美咲さんへ 9月7日(水)の午前9時40分から70分コースで利用させていただいたMです。その間、サービスを受けながら、5年前にはインテリアの販売に携わっていたこと、サッカーのブログで知り合った男性と付き合っていたこと等をお聞きし、私は、好きな作家である三島由紀夫の『金閣寺』、太宰治の『人間失格』についてお話ししました。両方ナルシストではないかという笑顔のご指摘には、心の中を見透かされたような恥ずかしさがありました。2週間前のことですから、思い出してくれるでしょう。 あれから美咲さんのことが脳裏から離れません。何故、あれほど可愛い容姿で、お姉さんのようにしっかりと気配りのできる方が風俗店にいるのか? という疑問が湧いてくるからです。借金があるのか、両親の姉に対する理想が高く厳しかったのか、サッカー好きの彼氏が碌でもなかったのか、就職先の人間関係が良くなかったのかと首をかしげては悔しい思いがします。夢にまで現れて、目覚めに涙を流すことがあります。 父親の話をする時に、厳しく鋭い目をしました。君の抱え込んでいる葛藤を、思慮の浅い私の器では、受け入れることができないのでしょうか。深海魚の地下で知り合った二人の子供を立派に育てて、君の両親にどうだと見せてやりたい気持ちが湧いてきます。 あれから、上野の古代ギリシャ展を見学しに行き、夜は婚活パートナーエージェントから紹介された女性と会いました。ご多分にもれず、海外旅行には一年に一度は行きたいとか、庭つきがいいとか、子供は3人欲しいとか、趣味も多様化、複雑化していて、どうやって彼女達を幸せにすればよいのか想像できません。 年を追うように暮らしが良くなる高度経済成長期、バブル期に学生生活を送った同世代の私達は、良くも悪くも、五感(見る、聞く、かぐ、味わう、触れる)がこえています。幼い頃、父親からは、子供の頃は白米を腹いっぱい食べるのを夢見ていたのに今の子は贅沢だなぁとか、母親からは、子供の頃は給料日にスキヤキが食べられるのを楽しみにしていたのよと嘆くように聞かされていました。それだから両親は家庭をつくる幸せに共感し、段階を踏んで味わってこられたのではないでしょうか。 戦後、与党である自民党は、マイホーム主義だけを標榜し、経済最優先の政治を推し進めてきました。しかし、バブル経済が崩壊し、リーマンショック、東日本大震災、電気料金の値上げによる景気の低迷により、生活の厳しくなった現代日本において、家庭の幸福にとらわれない、よりスピリチュアルな生き方が求められているのでしょう。 聖なるものを冒涜した罪に問われた古代ギリシャの娼婦フリュネが、法廷で、裸体の美しさに罪が無いことを裸で示しました。フリュネの彫像は、神を否定するものによって鼻の部分が破壊されておりましたが、今日まで大切に遺されています。俗な役割がなければ、聖なる光がないことを、古代ギリシャ人の娼婦を描いた多くの芸術作品が表しているかのようです。私は深海魚で働く彼女達に敬意を表します。美咲さんに、また会いたいです。
この手紙を通じて、著者の美咲さんに対する深い感情と彼女の過去や内面への関心が明らかになります。心理学的観点から見ると、著者の感情は典型的な「投影」と「理想化」のプロセスを示しています。彼は自身の思いを美咲さんに投影し、彼女を理想的な存在として捉えています。また、社会的背景や経済の変動に対する彼の考えは、現代日本における自己実現やスピリチュアルな生き方への模索を反映しています。
このように、ガチ恋する男性にとって、自分の感情を整理し、相手への理解を深めることは重要です。手紙を書くことは、感情の明確化と内省の手段となり、恋愛における健全な関係構築に寄与します。この手紙がその一助となることを願っています。
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