今日、安倍晋三が撃たれた。
高齢の両親と近くのバーミアンで食事をして後、スマホで世界の終わりの『MAGIC』を聴こうと、久し振りに幸せな気持ちでいたら、臨時ニュースで、元首相である安倍晋三演説中に撃たれると表示された。負傷と書かれているので、どこか足か腕でも怪我をしたのだろうかぐらいに思った。政治で高名な方が、まさか凶弾に倒れるなんて、もうこの時代にはないはずだと考えていたからだ。
事件の映像を見ても、安倍元首相を狙おうとすれば、いくらでも出来る状況に驚く。自転車で後ろから、すぐ近くまで誰でもできるようだ。銃声が一度鳴って、外れているのにも関わらず、誰も動こうともしない。ヤフコメには、今の平和ぼけした日本を端的に表しているというのがあった。
安倍総理は、政治家の中で、唯一応援していた政治家であり、政治的信条は良くわかっていないところもあったが、政治活動にすべてを賭けている純粋さが伝わってくる様子がいくつも感じられ、その度に、好ましく思っていた。政治への愛があふれている数少ない政治家のうちの1人だろう。
私は、この死を知り、何を考えたか? ビズリーチの社長もゴルフ中に亡くなった。41歳というから、私と終わりだ。私は、もういつ死ぬかわからない。寝る時間、食べる時間、ストレスに苛まれて苛々している時間を外してみると、人生は短い。活動できる時間はまことに少ない。人生は好きなことをするべきだ。私は、文学が好きだから、それだけのことをしていたい。時間があれば、『アウステルリッツ』でも読みたいのだ。
世界の終わりの『MAGIC』の「人生は素晴らしいと」と叫ぶところは素晴らしい生きたアートだ。
新宿駅で、駆け出しのギタリストが歌を歌っている。若い女性が、何度も写真を撮っている。古代ギリシャの頃から、女性に身体を引き裂かれるほどモテる男は、竪琴片手に歌を歌うオルフェウスだ。心に響く歌というものではないけど、やはり、人の心は、いつの時代も変わらないものがある。