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歌舞伎町の詩

 f:id:nyoraikun:20210514114204p:plain私は俗世に適応しようと疲れてしまった。完全に染まらないものが、私の心の中にあるようだ。それを詩で昇華するようにしよう。

歌舞伎町コマ劇場前

 生垣に腰掛ける
 隣に座る黒いブルゾンを着た若い女はうつむいている
 青い帽子に白いマスクをした黒人の男が言い寄り小声でささやく
 男はうなずく 
 女はかしげる
 蜜蜂が夏菊により そっと離れるように
 昼下がりの時間は過ぎていく
 コンビニの前 緑、青、赤に染めた男女5人が
 地べたに座り 完全なサークルを夢見ている
 私は時計を見る
 形だけの女を抱くまで 後三十分
 女が離れたところに 紙袋を2つ提げたおばさんが座る
 私と目が合う それは つけまつげをしているおじさんだった
 彼のはかなげな視線を向ける先に ゴールデン街が見える
 私は立ち上がる
 形だけの女を抱くために
 歩きだして 忘れものをしたような気がして 振り返る
 ビルディングの壁に大きく 明るく 正大に 描かれた
 「I♡歌舞伎町」が美しい血潮のように燃えていた

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カテゴリ
阪神タイガース・プロ野球・スポーツ