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ダンサーしおりと1回目のデート 私は結婚できるのか?

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ダンサーのしおりさんと、メールのやりとりをしていたのだが、待ち合わせの場所が経堂、千歳船橋祖師ヶ谷大蔵のいずれかところから、返信が遅くなっていった。前日に、待ち合わせの時間を確認するメールを入れても、返事が来ないから、フェードアウトかなと覚悟を決めた。朝、起きると、0時30分に着信があり、経堂に14時でいかがかとなっている。とりあえず会えることが嬉しい。婚活で何度女性の非常な態度をとられたことだろう。1匹の助平な狸のように私を思っていなければできない振舞をされたことだろう。女性不審になるほど、女性から癒しを求める私の心理は、女性に傷ついたものは、女性からしか癒せないということを如実に現わしている。
彼女に会って、自分の名前を名乗ると、最初は鋭い目で私の顔を見たが、急に笑顔になった。
経堂駅近くにあるサンマルクカフェでお茶をすることになった。席について、お茶をのむためにマスクをとった。デスマスクというほど精気のない暗い表情で、絶望感という表現がぴったりである。無表情ということなのだろう。しかし、彼女の話を聞いているうちに、自然と笑みがこぼれるようになると、明るくて楽しい気立ての良い爽やかな女性である。動物の中で鳥が好きということで、以前は文鳥を飼っていたが、また、何か鳥を飼いたいそうだ。けれども、朝8時に家を出て、帰るのが、夜の9時ぐらいになるから、実質世話をできる時間を捻出するのが難しいということだ。
映画でおススメなのは、『気狂いのピエロ』ということらしい。
コンテンポラリーダンサーであることは、隠したがっているように思えた。ミスターGAGAの主人公であるナハリンにもイスラエルで会ったという話をしたけれど、彼女が舞台に立って、それをメインに活動してきたこと等は、極力隠そうとしている様子である。
農大の学食が美味しいから、そこで夕食をとろうと思っていると言うと、彼女がそこまで一緒に行こうということになった。私が遠くから来たことに対して多少の悪い気持ちがあるのかもしれない。経堂駅近くにある整骨院に彼女は結構通っていて、バレエで身体を壊しかけたことがあるという話をしていた。コロナ禍でダンサーとしての活動は行き詰まり、身体は悲鳴を上げ、結婚する相手を切実に探している状況なのだろうか?
立教大学の心理学部映像表現学科というところにいたそうだ。映画につくり方の基本を1年生の頃、勉強したことで、映画を観ていても、気づくことが今だにあるとうなずいていた。農大一高の女子生徒が2人手をつないで歩いてきたから、女子同士手をつないで歩くものなんだねと聞くと、眉間に皺を寄せて、振り返るから、自分は男子校だったから、男子同士手をつないで歩くことは考えられなくてねとフォローを入れた。
彼女はまた少し笑った。私も女子高だったよと寂しそうにうつむく。夢を追うものの孤独と、コロナ禍による行き場を失った悲しみそのものが、彼女としての芸術となっていることを気づきもせずに歩いている。
農大の門は、通行止めになっていて、本学のIDがなければ入ることができなくなっている。コロナのためなのだろう。こんな時代になるなんて思ってもいなかった。彼女に、食品でも買うよと言うと、彼女は黙って首を振った。私が幻滅させて申し訳ないですと言うと、また少し笑った。
私は不幸な性分である。先日会ったデザイナーのまりこの方が、私に誠実に対応しているのに、今、目の前にいるダンサーのしおりさんに、ハラハラさせる魅力を感じているのだ。一緒にいたら幸せだろうと思えるのだ。

「お疲れ様です🙇‍♂️
本日は仕事の合間にお会いしていただき、ありがとうございました!お話から、しおりさんの懸命な足跡が伝わってきて、心うたれるものがありました。お話が上手で楽しかったです!
劇団四季の『キャッツ』は抵抗があるでしょうけど、経堂駅前の美登利寿司のランチは、コスパ最強で本当に美味しかったので、いつかの休みにでも気軽に利用できたら嬉しいです☺️
今日はありがとうございました!」

現在21時25分、彼女からの返信は無し!

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カテゴリ
阪神タイガース・プロ野球・スポーツ