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社債詐欺 詐欺師は確定! 憎いのに好きな気持ちが消えない!

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11月6日(金)に、Kさんと初めて食事をしたお店、品川の吾照里品川ウィング高輪店の前に20時で待ち合わせをした。彼女は15分遅れて登場した。
いくぶん他人行儀な冷めた表情で、先を急いでいるように目が店の方に向いている。話だけは聞いてやるかといった感じだ。
初めて食事をした個室に通されて、2人向かいあった。食事の器を店員が持ってくると、食事するの? と怪訝に聞いてくる。
「そのつもりだけど、食事したの?」
「ううん」
と彼女は視線をそらす。
「話だけだったら、喫茶店にすれば良かったね」
心を閉ざしているKさんは、こちらに目もくれず、目を落として考えているようだった。顔が青ざめるて憔悴していると思えば、目の瞳孔が巨大にひらくほど、怒りが込み上げてきているようにも見える。しばらく、私は沈黙を共有した。彼女がしびれをきらして、何が言いたいの? と投げやりに聞いてきた。
「前回は大変申し訳ございませんでした。許されないことを口にしても、またお会いできたことを心より感謝いたします。自分は、結婚だとかお付き合いだとか以前に、Kちゃんに会えることだけが嬉しくて、それだけが生活の喜びとなっていて、励みとなっていて、実際のKちゃんと向き合うことができていませんでした。重ねてお詫びいたします。」
「はい?」
「しかし、今でもKちゃんの幸せのためなら、自分の全財産、命すら捧げても構わない思いは変わりません」
「何言っているの? 命とか財産がとか関係ないんだけど……そもそも、どうしてこうなっているの?」
彼女は私募債への投資をさせるために懸命になっている。手の爪を緑に染めて、花模様のネイルチップを付けている。虎模様のスカートを見ると、今までと比べて、随分とだらしなく崩れた印象を受ける。
社債を購入して、金銭感覚が合うか確かめたいという提案を、自分の恐れから反故にしてしまったことは後悔していますよ」
「弱いからでしょ……」
それから聞き取れないほどかすれた声で、弱いからだよと3度口にした。
「初めて会った時、最初、私に何を話したか覚えている?」
「綺麗で、アイドルか女優のようだという話?」
「違うよ。信じられないということ。自分を信じられなければ、相手を信じることはできないよね。何もMちゃんは変わっていないね。もう一度、何でこうなったか考えて欲しい?」
社債を400万円、600万円買おうと提案しているのに、両親にも会わせようともしないし、実家の住所や戸籍、身元を証明する書類でも、あらかじめ持ってきて話をするのが普通じゃないか? 額が400円とかじゃないんだから……」
「それは前の話でしょ。こうなった原因ではないでしょ」
「でもあれだよ。自分の父親が進学校の先生だったから、教え子で弁護士をしている男がいて、今回のことを相談したのね。今、コロナ禍で不景気で、会社の多くが倒産の憂き目にあっている世の中で、社債を募集して計画倒産することで、どろんする詐欺が横行しているらしいよ。特に飲食関係では多いんだって。父親が言うから大丈夫ではなくて、自分の財産は自分で守るように、少しは疑った方がいいんじゃないかな」
 彼女は図星をつかれたのか、下を向いて、この日初めて笑って、ありがとうと口にした。Kさんが私にしようとしていることを代弁したつもりであったのに、彼女は、まだ私を騙せることを諦めていない。
「でも私はやるけどね」
厚顔無恥というのは、この顔かというぐらい、田中みなみのような綺麗な顔が、刹那、ひょっとこに見えた。
それから私も苛々が抜けず、私は免許証を見せて、住所、名前、氏名、生年月日を確認させた。君も免許証を見せてくれないか? と聞いた。持っていないと言う。マイナンバーや保険証は? と言うと黙ってしまった。
独立してフリーランスなわけだけど、SNSは何かしていないのと聞くと、以前はしていたけど、ストーカーにあってやめた。居場所がバレるとヤバイからと、あたふたしている。勤務先はどこなのか? という質問には、独立しているからと答える。風邪をひいて休んだら、代わりの人が行くことになっているんでしょ、だったら、所属先やグループはあるんじゃないの?と問い詰めた。

「お腹空いているんでしょ。食べてよ」
と彼女は卑屈に笑ってごまかそうとする。
それから、ちょっと怖いよ。どうしたの、警察呼ばれるよ。警察呼ばれるレベルだよ。普通は、そんなこと聞いてこないよ。キモイよと矢継ぎ早に、悪口を言うことで気持ちを落ち着けているようだ。
Kさんでいいんだよね? と2度問いかけた。Kさんは、目に涙を浮かべる前の表情になってうなずいた。もうだまし取れないと彼女は観念したのだろう。もう帰るねと立ち上がる。
私は「帰れ」と言い放った。今までさんざん奢ってきたけど感謝の気持ち一つ湧いてこないのか? と睨みつけた。
彼女はいくらだよと呟いて、財布から4千円を抜き出し、机に置いて消えていった。
その後、手付かずの肉がテーブルの上に広がっている。サムギョプサルセットであった。韓国料理が好きな彼女。在日の人であったのだろうか。
「帰れ」と口にしたことは、申し訳なかったとお詫びしたい気持ちが湧いてきた。翌日、メールをしたためた。

「Kちゃんへ

品川プリンスホテルのCAFÉで初めてお会いした時に、何故、美人で洗練された女性が私の相手をしてくれるのかと疑問を抱いてから、それからいくつもの違和感がありました。その一つ一つが社債に投資しすることに集約していたのだとわかりました。
kちゃんの幸せのためなら命やお金なんかいらないというのは本当で、計画倒産して資金を詐取することに、私が被害者として貢献しても、君の本当の幸せにはつながらないと考えています。昨日、実在の無い赤木美帆に帰れと言ったのであって、君は心底いて欲しかったのです。
以前、純粋志向が人より強すぎると話したことがありました。ハムスターの赤ちゃんが可愛いから皆に配ったり、草を編んで花輪を作ったりした話のように、君の生い立ち(歴史)に思いを馳せると、いつも温かな真心を呼び覚まします。不意にあらわす無邪気な振る舞いがとてもステキでした。きっと、その頃、2人顔を合わせていれば、たいへん仲良くなれただろうと涙が出てきます。
ヘアメイクの仕事でストレスから両腕にあざができた話を聞くと、自分のことのように辛かったです。3階建ての家に住んで、ささやかに幸せな生活を送っていたのに、経営がうまくいかなくなって、社債も集まらず、父親がいなくなってしまうような辛い過去が、Kちゃんには、あるのではないでしょうか? 君を傷つけたすべてのものを許せない思いでいっぱいです。現状、抜けられないしがらみや事情があるのかもしれません。
それでも私は、君の幸せだけを考えて生きていきたいのです。『ライフイズビューティフル』のような君の幸せをいついかなる時も祈っています。」

 

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