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彼女が結婚できない理由としてあげる、もやもやを解消する方法を考えてきてくれた!

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10月1日に、Kさんと『ビリーエリオット』を観ることにした。S席14000円のチケットを2席予約した。
赤坂駅の赤坂Bizタワーの入り口付近で13時頃の約束である。当日は11時30分について、いつも通りロケハンをすることにした。
TBS赤坂ACTシアターの前で、「BILLY ELLIOT]のTシャツを着た女性2人が、飛び跳ねたり、劇中のバレエのポーズを真似して写真を撮っている。無邪気な姿に、Kさんにない純粋な眩しさを感じるところもあった。やはり、3年同棲して、相手の嘘がわかり婚約を解消した彼女には、笑顔にも、どこか暗さがあるものだ。
夕食の場所は、赤坂見附駅そばの「ざんまい」という比内鶏専門店である。ACTシアターから歩くと、10分ぐらいで着く。うっすら汗をかかいた。
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昨日、スーパーの仕事で、消費期限が2日前に切れている商品をお客様に買われてしまい、家まで謝りに行った。お客に怒られ、店長に怒られ、部門長にネチネチと嫌味をずっと言われ、辟易して、浅い眠りしかできずにいた。彼女と会っても、上手く応対できるか不安である。顔がこわばっていて、自然な表情ができずにいるのだ。
赤坂見附駅の周りをぶらぶら歩いていると、日枝神社の正門が現われた。白い階段が丘の上まで続いている。長い階段が苦行による浄化を表しているのだから、歩かなければならない。けれども、都会で有名な神社ということで、参拝客の忙しさも考えているのだろう。上りのエスカレーターだけは階段の端についているのである。
階段に座らないでくださいという立て札がある。誰も座るものも、立ち止まるものもいない。
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Kさんは時間通り現れた。以前よりも、自然な笑顔である。地下にあるコンビニでお茶でも買ってから行きたいねということになった。
昨日のことで凹んでいるんだと事情を話した。上りのエスカレーターで、彼女は振り返り、私の顔を見て、笑顔で「凹んでいるMちゃん、初めてみた」
と嬉しそうにしている。
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TBSが主催というものであるのか、観客の数が多く、人気のほどがうかがえた。コロナの密防止の観点から、マスクを外すと、すぐスタッフが寄ってくる。座席を一つずつ空けて座るようになっている。
バレリーナを志す少年と、それを支援しようとする貧しい父親の姿のどちらにも共感できるものがあった。野球少年だった私は、不器用ながら期待してくれる父親の思いを背負ってマウンドに上がったものだった。皆とのお別れして、一人で階段を上っていく場面で閉幕となるが、その夢を見る孤独は、センチな郷愁を誘うものだ。
Kさんは、バレエを教えてくれた女教師と少年が別れる場面で泣いちゃったそうだ。私もそこで涙腺が緩んだ。
閉幕後、「ざんまい」に向かう。
ざんまいでは、鶏料理が沢山出て、お腹がいっぱいになった。
彼女は、以前の彼氏と私を何度も比べて、いざ、結婚すると、社債をやっていきたいという彼女のこだわりを理解してくれないのではないかという不安が抜けないらしいのだ。以前の彼氏は本当に良かった人なんだねと聞くと、「大好きだったよ。でも、今後一緒に暮らしていくと考えた無理だなと思った。恋愛関係だけだったら、まだ付き合っていたんじゃないかな」と暗い顔になった。年収はいくらだったかと聞いたら、1千万円というから、嘘だと思った。後輩の人がそう言っていたというばかりで、実際に彼女が確認したわけでないないようだ。今、アメリカに転勤したらしいよということだけでも、信用しているようなのだ。
一緒に暮らしたのが、3年で、年収1千万円の金が、すぐに消えていく事実に気付かないなんてことがあるだろうか?
私は瀬戸大也のように、Kさんとの家庭と、化粧品販売の仕事を大切に思うあまり、散財することで心身のバランスを保っていたんだね。心と身体のバランスを保つのが男性が難しくて、だから、歌舞伎町のような繁華街が潤うんだ。修身教科書では、芸術をやることで、バランスを保つように教える、それすら、社会的価値の高いものでバランスをとるようにとのことだけど、現実は甘くないね。
という内容のことを繰り返し話した。
私は、彼女と別れた後、もし前の彼の年収1千万円が本当だとすれば、彼女はいい生活をしていただろうし、私は、その半分も彼女にしてあげられないことになる。3年間、心から満たされるセックスを繰り返していたのだろうし、色々と比較されることを考えると、彼女から逃げたくなる。本当は、Kさんも、彼の年収がそれほどではないと気付いているのではないだろうか。しかし、それを知れば、自らが騙されていたことを知ることになり、立ち直れないぐらいのダメージを受けるのを知って、その嘘を事実として信じているのだろう。
人の心はわからないものだね。永遠不可知の人間性といったものだもんね。
彼女はもやもやをとる方法を考えてきてくれた。
感情はいいと思うけど、実際に結婚したら大丈夫かというところが、一向に変わらず、そのままであることが、もやもやの原因らしい。
今度、会社の副社長が彼女の社債の件で説明をしにくるらしい。それを一緒に聞こうと提案してくれた。両親にも、結婚を考えている人がいると話してみるということだ。
私は喜んでいいのだろうか?

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阪神タイガース・プロ野球・スポーツ