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初恋の人へ!ストーカーの記録6(2012年)

朝11時頃に、祖母の家に行ってくると両親が私を起こす。飾り付けるひな人形の手伝いに行くらしい。車を出せば喜ぶだろう。昨日の疲れが残っていて、寝たふりをした。昨日の部会では、今年は昨年の倍ほど蛤を売るようにとバイヤーの話があった。
 ――兄弟に女の子がいないので、幼い頃、雛祭りにちらし寿司や蛤を食べて、祝い事をしたことがありません。君は姉妹だから色々な思い出があったでしょう。昼過ぎに近くのグリーンウォークを散歩していると、ベビーカーを押している主婦や、買い込んだ生活用品を車のトランクに積め込んでいる夫婦、大学生らしきカップルが見受けられました。どれも君のように見えて、自分のしたことが、改めて社会生活のルールを無視した不埒な振舞だと思えてなりません。幼い頃、キックベースをして遊んでいる仲間に入りたくて、遠くから石を投げたことと似ています。あまりにも稚拙で、もうメールを送るのはやめないといけないと思っています。けれども、映画を観たり、テレビでラブソングが流れていたりすると、君の仕草や振舞が、サイレント映画のように、脳裏によく浮かんでくるんです。それは私が鳴りもしない綾の鼓を打ち続けていた過去の苦い記憶を甘美なものに代える脳内作用かもしれないと思えるようになりました。一途さを、男が思うより女の子に受けないのは、単純な愛の観念からくるコンプレックスの産物を背後に見るからかもしれません。今年は蛤を食べますか? 良質の地蛤が今年は豊富に楽しめそうです。今は幸せですか?

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カテゴリ
阪神タイガース・プロ野球・スポーツ