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居酒屋でお見合い!お色気ムンムン、ボクはドギマギ!


昨年の12月から始めたツヴァイの婚活であるが、今回で何人目になるだろう。一度会ってから音信不通になるのを繰り返して今日まできた。後悔だけはしたくないと、40歳になるまで婚活なるものを、アプリとか、街コンとかの遊びのようなものではなく、女性もお金を払って望んでいるような場所で勝負してみたくなった。成婚料をとられるところに加入してまで結婚したいかと言われるとそうでもなかったのでツヴァイに落ち着いた。
やってみて思うところは、これは結婚相談所ではなく、結婚相手データ提供所であることがわかった。
新宿西口の居酒屋「よかろうもん」でお見合いすることになった。最初はカフェ等で軽くお茶をして話をするだけが多い中、居酒屋で食事しようというのだけでも異色である。日程が合わなかったため、彼女の仕事終わりに会うことになった。
清泉女子大学という屈指のお嬢さん大学を出ているNさんは、居酒屋の前で会うと、愛想良くお辞儀してみせた。お顔の化粧が不自然ではないほど均整がとれていて上手いと思った。愛想笑いの浮かべ方も落ち着いている。自信をもって接してくれるから、変にドギマギせずに話せるが、夜、飲み屋で接待するような仕事をしていたのではないかという気にもなってしまう。
和歌山の話題を持ちかけると、田舎でしょと取り合おうとしない感じでツンとしている。父親が高野山大学を寺の小僧をしながら卒業したことで、私も2度ほど和歌山県高野山に行った話をしたけれど、興味は無さそうだ。大学を出たら戻ってくると両親は考えていたらしいが、田舎暮らしはもううんざりらしい。
そうそう、いいね、どれだけという相槌の入れ方は、こっちの気分も良くなるし、目を見て微笑みかけてくる表情は、ドキドキして変な気持ちにさせる。しかし、相手が気を遣ってくれているけれど、話が一向に盛り上がらない。その間、出てくる食物を、彼女はどんどん食べようとする。お酒のジョッキを2度ほどおかわりをして飲み干した。この逞しさが私には欠けていると感じた。食欲が旺盛というのはいいことだ。しばらくして、Nさんがお腹を押さえて、お腹が苦しいと言い出した。トイレから戻ってきても、顔色が蒼白になっている。昼の休憩をとらずに来て、沢山食べたから、具合が悪くなったという。帰りたい口実という訳ではなさそうだ。時間を合わせて飛んできてくれたのだろう。有難いことだ。婚活で申し込みが思ったほどなくて、自分からコンタクトをポチッとやっても断られるんですと可愛いしかめっ面をしていた。綺麗な女性なのに、そういうことなんてあるのかと不思議であった。
後日、大丈夫ですか? 出勤できましたか? という心配メールを入れたけど応えはなかった。30の齢を過ぎた女性を男性は焦りからすぐ落ちるだろうとどこかで舐めているところがある。しかし、その期間、男性と付き合う中で、目も耳も肥えてきているため、男性を見る目が、若い頃より厳しくなっているのだ。今回も、駄目だ! 次に行こう! 今度は良き出会いがあることを信じて! これから婚活をする者へのメッセージを求められたらこれだけだ。
世の中はなにか常なるあすか川昨日の淵ぞ今日は瀬になる 
万葉集――読み人知らず

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阪神タイガース・プロ野球・スポーツ