社会の羅針盤– category –
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【連載第2回】いのちの未来──涙と問いの森で
■ アメリカ館を後にして アメリカ館を出ると、私は地図を片手に夢洲の森を西南へと歩き出した。走ってきた時は一瞬だった道も、歩いてみるとまるで別世界。右手には静まり返った森が広がり、ふと富士の樹海のようだと思った。ようやく視界にアースマートが... -
【連載第1回】2025年大阪・関西万博──熱気と混沌の中で
■ はじまりは、東横イン弁天町 9月16日(火)、前夜に東横イン弁天町に泊まり、始発電車で夢洲へ向かった。車内は異様な緊張感に包まれていて、駅に着くやいなや、人々は目を血走らせ一斉に駆け出した。私も不用意に前へ出た瞬間、弾き飛ばされて尻もちを... -
外面を削り、内面を掘り出す ― 生をめぐる思索
外面から削り出される内面 ― 生をめぐる思索 私たちは普段、「内面」と呼んでいるものを、あたかも独立した実体のように考えがちです。しかしよく考えてみると、それは外の世界からの印象や想像の堆積に過ぎないのではないでしょうか。むしろ危ういのは、... -
仕事で心身崩壊…それでも大阪万博と飛田新地に行く私の理由
殺人的な労働の日々と、心の叫び 気づけば、仕事の日々は「殺人的な忙しさ」が続いている。最初は気合でなんとかしても、3か月経つと休みの日に全身が鉛のように重くなる。社会のシステムをもっと早く知っていれば…と思うが、私はただ「レールから外れるこ... -
「映像の世紀プレミアム」を見て考えた、日本の歴史と大阪万博、そしてAIの未来
昭和の宰相と国民の熱狂 NHK「映像の世紀プレミアム」では、昭和の宰相たちが“アメリカに勝てるはずがない”と分かっていながらも、国民の熱狂に押し流され、戦争を長引かせた姿が描かれていました。幼い頃に学校で教えられた「国民は犠牲者だった」という... -
新宿バルボラで涼風花音と出会った夜 ― AI博覧会から風俗体験まで
はじめに 三連休のある日。東京国際フォーラムで開催されたAI博覧会に参加した後、新宿で少し寄り道をした。そこで出会ったのが、新宿バルボラの涼風花音さん。AIと人間の未来について学んだ昼間と、風俗という人間の本音に触れる夜――そのコントラストが実... -
社畜に疲れた44歳が三島由紀夫とAIに救いを求めた理由
「仕事に追われ、疲れが抜けない。自由を願いながらも正社員という安定に縛られてしまう――そんな社畜的な日常の中で、私は三島由紀夫と安部公房の全集、そしてAIに救いを求めるようになった。44歳のいま、文学とテクノロジーの力を借りて『文化的に生きる... -
【退職した29歳女性に会って気づいた】僕らはいつの間にか、何者にもなれないまま年を取っていく。
7年前、新入社員として僕の職場にやってきた彼女が、退職するというので会いに行った。彼女はもう29歳。あの頃は「若い」としか思っていなかった彼女が、もうすぐ30。時の流れが速すぎて、言葉を失った。 静岡出身の彼女は、どこか屈託がなくて、太陽みた... -
広陵高校の勝利が意味するもの──「勝てばチャラ」なのか?
いじめが報道されてもなお、チームが勝ち進めばすべてが正当化されるのか?「勝てば償われる」そんな空気がまかり通るのであれば、それは極めて危険なメッセージである。 スポーツが学校のイメージアップのためのツールになっているならば、今回のような問... -
【宿泊レポ】2025年夏・リニューアル後の「亀の井ホテル青梅」に泊まってみた!気になる食事とサービスの変化
2025年8月初旬、**リニューアルオープンしたばかりの「亀の井ホテル青梅」**へ行ってきました。 1年に3回は通う両親のお気に入りの宿なので、今回の改装には「楽しみ半分、不安半分」。特に、食事の量や質が落ちていないかが一番の関心事でした。 食事はど... -
フィッシング詐欺が身近すぎる時代──家族と自分を守るための“たった一つの習慣!
最近、フィッシング詐欺があまりに身近になってきました。 両親は「NTTからのボイスメール」という偽の留守電に危うく折り返しそうになり、職場でも実際に引っかかった人がいました。その人は普段から周囲に不愉快な印象を与えるタイプなのですが、今回の... -
『見えないもの』を信じる力──SNS時代に星の王子さまから学ぶ5つの視点
「大切なものは目に見えない」――サン=テグジュペリの言葉は、フォロワー数や〈いいね〉が一瞬で可視化される2025年の私たちにこそ響きます。 けれど “見えない価値” はどうすれば無関心な人の心も動かせるのでしょうか? 現代のリアルなデータと事例を手... -
株式会社の社員は、誰のために働いているのか? 〜株主とお客様のあいだで揺れる本質論〜
私たちは、いったい誰のために働いているのふとした瞬間にそんな疑問が頭をよぎることがあります。とくに、株式会社という仕組みの中で働いていると、「あれ、社員って結局、株主のための存在なのか?」という根源的な問いに突き当たります。 この記事では... -
【東横インの夜と、深夜の新宿——鬼滅の刃を観たあとの混沌と自由】
鬼滅の刃の上映が終わったのは、夜もすっかり更けた12時過ぎだった。 興奮と余韻が入り混じる頭の中、目の前にあるのは東横インの簡素で静かな部屋。けれど、眠れなかった。 どうしても街の空気を吸いたくなり、私は夜の新宿に出た。 飲食店はまだまだ賑わ... -
出世とは自由ではない──プリゴジンに学ぶ“構造を知らぬ者”の末路
出世すれば、自由になれるのか? 多くのサラリーマンは、出世することで「自由になれる」と信じている。 役職が上がれば、裁量が増え、収入も増え、自分の言葉が組織に影響を与える──そう思っている人は少なくないだろう。 だが、その幻想はときに残酷な結...