青梅の「亀の井ホテル」には、この1年で両親と3度も訪れました。かつてここが「かんぽの宿」だったころは、卵焼きを提供するスタッフが朝食会場に立っていたり、夕食時には多くのスタッフが忙しくも丁寧に対応してくれていました。そのアットホームな雰囲気が今も記憶に残っています。
しかし、民営化された「亀の井ホテル」では、効率化を追求しつつも、リピート客を意識した新たな工夫が垣間見えます。例えば、売店スタッフが常駐していたころの光景は消え、今ではフロントスタッフが呼び出し対応をしています。一方で、料理の質は以前よりも向上しており、蕎麦が提供される場面ではご飯への変更対応も可能になった点は評価できます。
【混雑する宿泊施設とコロナ禍の影響】
今回は、思った以上の混雑ぶりに驚かされました。スタッフの数が少なく、サービスが行き届かない場面も多々ありました。隣の席のおばさまグループが頻繁にクレームをつけている様子を見ると、心中穏やかではいられませんでした。しかし、それだけ多くの人が訪れているというのは、宿が繁盛している証拠でもあります。
ふと、「もしコロナがなければ、かんぽの宿はそのまま存続していたのだろうか」と考えました。また、多摩センター駅前の京王プラザホテルも今なお営業を続けていたのかもしれません。スーパー業界に身を置く私としては、コロナの恩恵を受けた立場にありますが、このパンデミックで人生を狂わされた人々も少なくないことに、改めて思いを馳せました。
【家族との時間と未来への思い】
独身である私は、家族という存在が「現在」と「過去」にしか存在しないことに気づきます。両親と過ごす時間が今の自分にとっての「家族」であり、その未来に両親の姿はもうないかもしれません。この現実を前に、文学を支えに独身貴族として生き抜けるだろうか、と自問する日々です。
【自然との触れ合いと心の揺れ】
外に出て川沿いを散歩していると、自然が私を静かに包み込みました。ズボンに植物のとげが絡みつき、釣り人が川から上がっていく姿を目にしました。鮎美の橋の上から川を見下ろすと、足が震え、死への恐怖が心をよぎりました。それでもスマホで写真を撮る手が止まらず、震えた手が恐怖のせいなのか、スマホを落とす不安からなのか、自分でもわからなくなりました。
【温泉の力と腰痛の癒し】
昨日、ソープランドで腰を酷使したため筋肉痛に悩まされていました。重いものを持つことができず、リハビリを兼ねて散歩に出たのです。ホテルに戻り温泉に浸かると、驚くほど腰痛が和らぎました。「温泉ってこんなに効果があるんだ」と実感したのは、これが初めての体験だったかもしれません。
【旅が教えてくれること】
青梅の「亀の井ホテル」滞在は、家族との時間の尊さや、自分自身の未来を考えるきっかけを与えてくれました。過去の懐かしさを味わいつつ、現実を受け入れながらも、これからの人生をどう歩んでいくべきかを考えさせられる旅となりました。ぜひ皆さんも、亀の井ホテルでの時間を通じて、自分自身を見つめ直してみてはいかがでしょうか?