先日、劇団四季の『ゴースト&レディ』というミュージカルを観てきました。この作品は、クリミア戦争で看護団団長として従軍したフローレンス・ナイチンゲールの物語。ウクライナとロシアが戦争をしている現在と重なる戦地で、当時は卑しい職業とされていた看護婦の社会的地位を押し上げ、5月12日を「国際看護師の日」と制定するほどの偉業を成し遂げた彼女の奮闘が描かれています。
パイオニアとしての孤独と挑戦
劇中では、男性社会の戦争に女性が参入することに対する偏見や、看護団に対する「足手まといになる」「風紀が乱れる」などの反発が描かれています。まさに、ガラスの天井に挑むナイチンゲールの姿が見られます。彼女の孤独な戦いは、どの分野でも革新的な人々が直面するもの。野球の野茂英雄や、黒人初の大リーガージャッキー・ロビンソンなど、先駆者たちの孤独を思い起こさせます。
群れ全体の存続を守るために、常に冒険する「ファーストペンギン」の存在が不可欠であるように、ナイチンゲールは看護婦の地位を引き上げるパイオニアとしての役割を果たしました。
マーケティング戦略と女性の共感
近年、劇団四季はジャンヌ・ダルクをはじめとする女性に受ける物語を多く提供しています。観劇する観客の男女比率では、女性が6割強。マーケティングの結果だと思われますが、実際に多くの女性観客が共感し、感動している姿が見られました。
バック・トゥー・ザ・フューチャーの楽しみ
来年の5月には、劇団四季が『バック・トゥー・ザ・フューチャー』を上演するとのこと。ブロードウェイで話題の作品を取り入れるなど、コロナ禍の資金難を乗り越えた劇団四季のチャレンジ精神がうかがえます。イノベーションによる新陳代謝は組織を生かす重要な要素。オリジナル作品や新作の連発は、失敗もあるかもしれませんが、大きな成功を生むことでしょう。
谷原志音の魅力
このたび『ゴースト&レディ』で主役を演じた谷原志音は、以前『エビータ』で彼女の演技を観たことがあるだけに、その歌声の美しさには改めて驚かされました。カナリアのような高く響く声は、観客の心を鷲掴みにします。容姿もNHKアナウンサーの鈴木奈穂子さんをさらに美人にしたような表情で、観客を魅了します。彼女の歌声に惹かれると、どの役でも彼女が主役であってほしいと感じるほどです。
ナイチンゲールとしてクリミアに向かうシーンでは、腰に両手を当てながら行進する彼女の姿が、まるで看護婦の花魁道中のようで、神秘的で美しかったです。細部にこだわった演技が観劇を満足のいくものにさせてくれます。
続きは明日!
観劇記録の続きは明日書きますので、またお会いできる日を楽しみにしています!
It Gets Better
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