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映像の世紀(ノルマンディー上陸作戦)をみて考えること!


中国が時速400kmの列車を開発し、このまま、実用化されると、北京から上海まで2時間半でいける計算になるという。日本も、戦後、軍事開発に向かう技術を、新幹線の開発や、ラジオやテレビ等に向けたために、飛躍的に進歩を遂げ、トランジスタの商人とまで言われるようになった。今では、日本発の世界に誇れる技術が、見当たらなくなってきた。30年前の日本の会社の時価総額と現在を比べるとお寂しいばかりである。

新幹線をつくっても、土に埋めてそのままの国であると笑われていたのに、失敗は部分的成功であり、その積み重ねが、今回の成功につながっているのだろう。GDPも世界第4位になり、もう数年のうちに、インドに抜かれることになる。日本は人口動態図において、若い世代の人数が少なく、今後の展望も暗いのである。高齢者は老害だから集団自決しろと経済学者の成田が述べて問題になっていたけれど、バブル崩壊後に老舗企業が低迷した理由の最たるものに、上が詰まっているために、年功序列制の日本において、ステップアップできないという問題があった。上は明るく晴れていて、若い人が多いほど、未来は明るいのなら、何故、日本の人口は増えていかないのだろう。

世間は、経済的余裕が、ロスジェネにはないからというけれど、私は、それだけではないと考えている。それは、戦後民主主義と、そこから生じる偽善により、国の大本を忘れ、経済最優先、家庭の幸福最優先の施策を大善として打ち出していったことにある。誰も国をよくしようとするより、自分さえよければという我欲がそれによって醸成され、お金のかかる配偶者や子供を持ちたいと、あまり思えなくなったということではないか?

昨日、NHK映像の世紀プレミアム『ノルマンディー上陸作戦』をみた。この手の話は、最後は反戦の言葉で締めくくられることで、大体、あらすじが読めている。本当に、その通りの内容となり、サリンジャーの言葉で総括された。ライ麦畑でつかまえてで有名な作者ではあるけれど、生涯にわたって、ノルマンディ上陸作戦における兵役のトラウマに苦しめられたとは、知らなかった。


ノルマンディ上陸作戦に参加後、帰還したサリンジャーは、1ヶ月後に短編を発表した。第一次世界大戦の思い出を誇らし気に語る父親に、こう語りかける場面がある。

「父さん、生意気なようだけど、僕は戦争が終わったら、口を閉ざして何も語らない。それがこの戦争に参加した全員の義務だと想う。死者を英雄に祭り上げては駄目なんだ。僕らが帰還して、ヒロイズムだのゴキブリだの塹壕だの血だのと、話して書いて絵にして映画にしたら、次の世代は未来のヒトラーに従うことになるだろう。ドイツの若者がみんな暴力を軽蔑していたらヒトラーだって自分の野心をひとりで温めるしかなかったんだから」

↑戦争、英雄とされ戦後アメリカの大統領までなったアイゼンハワー夫婦である。勝てばどんな残虐であっても官軍である。

現実は、ノルマンディー海岸近辺のフランス人の家屋が爆撃で破壊され、3万5千人近くの死者を出していた。東北の津波による死者の3倍ほどであるから、大変なものであるのに、公表されたのは最近であり、サリンジャーの感性は、世の中の矛盾を、体験を通じて見抜いていた。みんなは成功を、美談に仕立て上げようとするけれど、実際、世の中のすべては、水原の賭博にあるような、グロテスクな面を見せないように配慮されている。臭いものは、すぐに蓋を被せて、わかったようなふりをするものなのだ。

この作戦の最後の生き残りとされる兵士が、昨年亡くなった。フランスのマクロン大統領が見守る中、葬儀が盛大にフランスの美的センスいっぱいに、行われた。賛否両論があろうが、周辺のフランス人が亡くなったのは、犬死ではなく、勝利への貢献であったと認める方が、遺族には、好ましいだろう。日本にある靖国神社と発想は同じということか。

上陸しに岸辺に向かう兵士達。遠くにいる兵士が次々と打たれて死んでいく。もういくしかない、これが現実なんだと考えたというが、人は誰も縛られた子羊であり、私もそこに立たされていたとしても、祖国のために死ぬしかないと思うしかないだろう。↓

首脳会談で、世界のトップスリーとして、ロシアのスターリンアメリカのルーズベルト、イギリスのチャーチルであるけれど、世界一の国であったチャーチルの存在が小さくみえるほど、時代の覇権は、左のロシアとアメリカに移っているということを物語っている↓


ノルマンディーの美しい浜辺である。きっと、その頃も、こんな美しい海岸が、血に染まることになった。人は誰しも、ここで海水浴をして、幸せな人生を送りたいとしか考えないのに、ここで、誰もが望まない殺し合いをすることになった。これは、人間の問題ではなく、政治の問題ということなのかわからないけど、中国が、このまま力をつけてきたら、日本は、屈辱的扱いを受けることになる。第二のチベットになってしまっては大変だ。国を大切に想う気持ちを養っていくことが、心から少子化を変えていくことになるだろう。

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カテゴリ
阪神タイガース・プロ野球・スポーツ