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横浜で樋口一葉に会ってきた!

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樋口一葉に惹かれたのは、『たけくらべ』を読んでからである。天才の作品だと驚嘆した。

展示は、父親、母親の写真から始まる。父親は元々士族の出であったが、川上と川下の利権を巡って、警察に訴えるという正義感の強い人だったそうだ。そのことが直接の原因なのかわからないが、士族を追われ、商売を始めたけれど失敗して、非業の死を遂げた。家督を継いだ長男は、大蔵省に入省するぐらい優秀な人であったが、23歳で肺の病気で亡くなってしまう。母、一葉、妹だけになった彼女は、小説家になろうと決心するけれど、当然、うまくいかない。

資金繰りが厳しくなった一葉は、吉原近くに小間物屋を開業して、商売を始めるが、最初は順調であったが、段々と厳しくなっていく。その時に触れた吉原に関わる最下層とも言える人々との出会い、商売を通じた子供達との触れあいが、あの名作、『たけくらべ』を書かせたのだ。

彼女は、15歳の頃、萩の舎に入り、歌を学んだ。ここは、公家・旧大名などの旧体制名家、明治政府の特権階級である政治家・軍人の夫人や令嬢らが通う歌塾であった。

下級官吏の娘であった一葉は、2月の歌の発表会では、気おくれしながらも親が借りてきた古着で出席して、最高点をとっている。

一葉は24年の生涯に、あらゆる身分にかかわりなく、多くの人とかかわった。貧富や社会的地位の差でいえば、身売りする女性から、特権階級の令嬢との触れあいを通じて、人を醒めた目でみつめる力が養われたのかもしれない。

私が横浜まで、泊まりがけでいくだけの魅力をもった『たけくらべ』は、一葉の文学的才能と身分にかかわりなく、多くの人達との出会い、そして、吉原に関わる不幸とされる子供達がたくましく現世を生きようとする稀な出会いから生まれたものであった。

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カテゴリ
阪神タイガース・プロ野球・スポーツ