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有村架純が幽霊に見えた。新国立劇場で、『友達』を観ていた! 

f:id:nyoraikun:20210910210650j:plain9月8日(水)に安部公房作 演出加藤拓也の『友達』を観てきた。有村架純伊原六花らのテレビで活躍されている役者が数多く出演している。出演料や新国立劇場をつかうことで、経費を大分さかれているのか、舞台装置は、都市のビルをを思わせる建物の飾りが背景にちらほらあるだけである。
突然9人のお人好しの家族が、一人暮らしの男の主人公の宅に乗り込んでくるという話である。その会話や雰囲気は、いかにも周囲に溢れている善良な市民といった感じなのである。それに抗う男は、次第に、家族のルールにのみこまれていき、檻に閉じ込められて死んでしまう。1967年に書かれた戯曲ではあるが、現代のことを言い当てているようで、天才には、先が見えていたのだろう。原作に忠実に描かれていたが、スマホを持って生活していることまでは、安部公房は知るよしもないのであって、その点の書き換えは、演出家加藤拓也が実に見事にされていた。
多くのスターを目当てとした客で、客席は満員であった。スターシステムというのは、捨てがたいもので、テレビで何度も見たことのある人達が、舞台で演技をしている姿は、心に訴えるもので、幻想が現実になったかのような不思議な気持ちになる。正夢を見ているような感じといえばいいのだろうか。
伊原六花は、痩せていて顔が綺麗だったし、胸がたわわに実った果実のようで、普段の生活には、お目にしない魅力が、身体からも溢れていた。山崎一演じる父、長男の林遣都、主人公の男の鈴木浩介も、舞台に立っているだけで、身のこなしにも、オーラがあった。可憐でお人好しで、一家の中で、聖母マリアの生まれ変わりのような善良な女性を演じる有村架純は、テレビや映画で何度も目にしていただけあって、神のように見えてしまった。近寄ってはいけない、犯してはいけない人が目の前にいるんだと何度も胸中でつぶやいた。ナイフをバッグから取り出して、有村架純に突き刺すこともできるのではないかという悪魔の声も聞こえてくる。そんな危険な考えが脳裏に浮かぶのは、彼女の影響力は、日本を変えるほどのものがあると私は、知らずと認めているからであろう。
最後、役者が舞台で並んでお辞儀をするカーテンコールは2度あった。私は有村架純を凝視した。顔色一つ変えず、前を向いて立っている。ちょっと恐ろしい気持ちになった。天冠をつけた幽霊のように、はかなげに見えたのである。
それにしても、今度は、スターシステムを排した実力主義劇団四季の「アナ雪」でも観に行きたくなった。
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カテゴリ
阪神タイガース・プロ野球・スポーツ