3月2日(土)
2人目はツヴァイ出会いのセッティングサービスで、清泉女子大学のIさんとお話をする。2ヶ月で2人というのは、残念だけど、会う前はどきどきするし、期待が少しは湧いてくる。30分向かい合ってしゃべるということだが、途中から話すことが無くなり、沈黙が覆ってくると、私は万事窮すで、女子大出で、お嬢さんだと思っていたけど、案外庶民派だねと言わなくてもいいことを口にした。それで、彼女の心は、ほぼ閉ざされたのだった。
その前から異変を感じていた。入ってくる時に、私の顔すら見ようとしないのだから……彼女の好きな宝塚の話題に熱が入ればどうなっていたというものでもないだろう。立ち上がって、本日はありがとうございますと挨拶しても、チラ見して通りすぎるだけだった。きっとどんなイケメンが相手をしても、和泉さんは、喜んで次に会う約束をしなかったに違いない。
中小企業に就職してから、処理しきれないほどの仕事があって、休みをとることもままならないようだ。京都や奈良に行くことが多いというのも、出来れば海外に行ければいいけど、そんな休みがとれるわけがないということだった。
私が中小企業で働いていた時は、休みがほとんどとれずにいた。忙しさがある程度を超えると、恋愛感情の泉は枯れてくるもので、どんな綺麗な人を見ても、愛情そのものが湧いてこないんだ。忙しさは恋愛の大敵だね。この類いの話をするたびに、彼女の心はちょっとばかり開いてくるようだった。連絡先は教えてくれなかった。
ツヴァイ池袋店の入口で、ちょっと、スタッフに相談したいからと話すと、泣きそうな顔をして、二度ありがとうございましたと口にして帰っていった。婚活する女性、それも長引いている女性には、男性以上の売れ残り感があるのだろうか。何か普段生活する上で見ることのない鬱屈した心模様が透けて見えるようだ。
掲載している写真を変更しようとスタッフがスマホで私の写真を何枚も撮って、そのうちの2枚、立ち姿、座った姿をアップさせることになった。この2枚の写真が1人の女性と会うことにつながる。