「アスペルガー」「ADHD」…いまやSNSやネット検索で一瞬にして情報が手に入る時代ですが、実際に職場に彼らがいるとどうなるか、リアルな現実を知っていますか?
脳の“凸凹”が原因とも言われる発達障害は、イーロン・マスクやビル・ゲイツなどの超有名人が公表していることで一躍注目されがち。でも「じゃあアスペルガーなら、同じように大成功できるの?」といえば、決してそんな単純な話じゃありません。知能指数や生い立ち、環境など、さまざまな要素が複雑に絡み合い、その人独自の“特性”として表れているにすぎないのです。
実際、自分自身が発達障害かもしれないと気づくきっかけは、仕事でのトラブルやSNSでの偶然の発見だったり、「何かうまくいかない…」とググっているうちに判明したりする程度のこと。目で見てわかる怪我や病気と違い、周りの人間も気づきにくく、しばしば“わがまま”や“自己中心的な人”とレッテルを貼られて終わってしまうのが現状なのです。
「アスペルガーかもしれない」同僚に、苛立ちが止まらないワケ
私の職場(スーパーの鮮魚担当)にも、どう見てもアスペルガーの女性がいます。正直、彼女の一挙手一投足に苛々させられることもしょっちゅう。仕事自体はこなしてくれていて、鮮魚をきちんと扱えるパートさんなんてなかなかいないから欠かせない存在ではある。でも、彼女ならではの“空気の読めなさ”や“独特の言動”には毎回振り回されていて、こちらが音を上げそうになるほどです。
しかも、鮮魚コーナーのパート募集となると、地元の人が気軽に応募しやすい環境ゆえか、「境界知能」「発達障害」「在日」「移民」「パーソナリティー障害」など、何らかの特性を抱えた人が集まりやすい現場になってしまうのも事実。私もここで働くまでは想像もしていませんでしたが、今になって“就職先を間違えたかも…”と気づいている次第です。
とはいえ、そんな多様な人たちのなかでも特に助かっているのは、能力が高いにもかかわらず他の職に就けないという在日・移民・出稼ぎの方々。日本人相手にはどうしても心を開きにくい部分はあるようですが、その労働力には本当に助けられてきました。
アスペルガーが職場でもたらす“衝撃”を一文で表すと…
「自分がされて嫌なことを、人にしても平気でいる」
これこそが、まさに「彼らが引き起こすトラブルの原点」です。とはいえ、彼ら自身も“なぜ人を怒らせてしまうのか”がわからず苦しんでいるのも事実。
でも、普通の感覚からすると、「自分が嫌な思いをしたのなら、人にもやってはいけない」と考えるのが当たり前。彼女のように“自分が不快に感じたことを、そのまま相手にしてしまう”のはトラブルの火種そのものです。
「なんでそんな言動をとるの!?」と腹を立てる気持ちと、「本人にだってわからない苦しさがある」と理解を示す気持ち…このせめぎ合いが、現場をさらにストレスフルにしているわけです。とはいえ、責任者としてはどちらの気持ちも汲まなければうまく回らなくなるのは明白。
「キレるしかない?」葛藤の先にあるもの
「じゃあ、彼女を理解するために同じようにキレてみるしかないのか?」なんて考えてしまうほど、彼女の言動によって周りはストレスを抱えています。
しかし、もし本気で“共存”を目指すなら、相手の特性を理解しつつ、現場で役割をうまく与え、かつ周囲に必要なサポートを伝えていくしかありません。イーロン・マスクやビル・ゲイツみたいに大成功できるかどうかは別として、普通の人とは違う脳の特性を活かすチャンスでもあるかもしれないからです。
仕事場での“異能”と呼ばれる力をきちんと見抜ければ、大きな武器にもなる。一方で、理解を怠れば、ただの“厄介者”として排除される危険もある…。このギリギリのバランスが、どこの職場でも悩みのタネになっています。
結局、どう折り合いをつけるか?
結論として、アスペルガーやADHDと呼ばれる特性を持つ人へのイライラは、本人のせいだけでなく、周囲の理解不足や制度の未整備も原因のひとつ。人は誰でも「自分だって苦しい!」と思っているものです。でも、それをお互いうまく説明し合えない現実が、さらなる誤解や対立を生むのかもしれません。
「キレるしかないのか?」と悩む前に、「どうやったらお互い納得できるやり方があるのか?」を探る努力こそが、今いちばん求められているのではないでしょうか。
職場で日々巻き起こる“衝撃”から、私たちは何を学び、どんな道を選択するのか。もしかしたら、イーロン・マスクやビル・ゲイツに続く新たな才能は、すぐ近くに潜んでいるのかもしれません…。
あなたの職場にも、もしかして“見えていない特性”を抱えた人がいるかもしれない。
ただのわがままか、それとも“発達障害”という特性か…今こそ「見えない苦しさ」に目を向ける時が来ています。
職場でのモヤモヤやイライラに直面している人ほど、ぜひ一度、この問題をじっくり考えてみてください。
果たして、あなたは「キレるしかない」と思うのか、それとも――。