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日々に出会った美を追求していく!

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婚活! 初めてのディズニーは彼女と行きたい!

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日比谷公園で気を休めてから行こうと思い池水を覗き込むとゴミがいくつも沈んでいる。

ツヴァイの出会いセッティングサービスで初めての好感触を得た。相手は28歳の女性である。私より10歳も若い。相手の希望年齢外であったから、無理を承知で申し込んでみた。ソフトボール部というから、野球部だった私と気が合うのではないか? 容姿も写真を見る限り、普通である。

また日比谷の支店で会うことになった。始まって数分で会話が途切れて、やきもきするうちにサヨウナラということにならなければいいがと不安の中、彼女が到着した。その30分前に、トイレに行く際、彼女とすれ違ったのだ。気づいたが、知らんぷりして通り過ぎた。便器に座り踏ん張りながら、考えた。容姿も悪くない。何故、アラフォーの私と会ってくれるのかわからなかった。この時、いきんだことが原因かもしれない。翌日、いぼ痔になって病院に行った。

会うと彼女は気だるい口調で話し始める。

「スーパーのことよく知っているよ、私の両親はスーパーで働いていたから、それにしても疲れたね。新橋からここまで歩いてきたから」

新橋から30分もかけて歩くのだから健康なのだろう。それにしても、だるそうに話し始めるのだから、この場にくること自体、不本意なのだろうか? 皆、そうだろう。私も自然に出会えるのが良かったけど、そういかないから、時短を求めて、ツヴァイのサービスを受けているのだ。

「写真はオランダで撮られたんですか」

「えっ」

「オランダの風景かなと思ったから」

「ディズニーシーを知りませんか?」

私はディズニーランドにすら行ったことがないのだ。行きたいから一緒に行きませんかと聞くと、いいよと二つ返事で受け入れる。ポケモンの映画が観たいからというので、一緒にぜひ行きましょうよと聞くと、いいよと首を少し動かす。どんなことを頼んでも承諾してくれそうな雰囲気、これは初めての経験である。

30分が経過した。番号を教えて欲しいというと、何を教えればいいのとダルそうに聞いてくるから、電話番号を交換した。

外に出て、東京駅までタクシーを拾おうとすると、勿体ないからと私の肩に手をやる。

有楽町駅までの高架下を、彼女と肩を並べて歩いた。途中で、お茶でもしないとたずねると、任せるということだから、先にあった珈琲館に入った。メニューの数が多くて選ぶのに迷った。ちょうど、隣の席では雑誌の取材が始まっていた。オシャレなケーキやパンを、様々な角度から撮影している。

彼女はココアを、私は豆乳を注文した。

好きな本は『カシオペアの丘』、好きな映画は『泣くな赤鬼』ということ。ハリウッド映画のピカチュウも面白かったそうだ。backstreetboysの日本公演が10月にあるから、埼玉、大阪の2枚のチケットを予約したけど、もっといい席だった良かったとしんどそうな顔をする。チケット流通センターで高額になるけど、いい席がゲットできるよと言っても、そのサイトすら知らないということだ。転売の禁止法もできたし、大阪まで行って入れなかったら元も子もないからねということで意見の一致をみた。

他の会話がかみ合っていたとは言えない。休日は、録り溜めたドラマを観て楽しんでいるようだけど、私は高校の頃、反町隆史主演のGTO以来、テレビドラマを観たことがない。

三島由紀夫が好きで、ドキュメンタリー番組なら観ると恥ずかしそうに言うと、難しいのが好きなんだねと険しい表情をする。緊張すると水を飲み過ぎるから、3度もトイレ休憩に立った。3度目、席に戻ると、彼女は帰ろうとバッグを懐に抱えていた。

隣で取材班と店主の話声が大きく響いてくるように感じた。

会計の席で、私が払うと手で合図をすると、また嫌な顔をする。また無理かなと思った。

東京駅まで一緒に行く間にも、彼女はずっと黙っている。とにかく悩み疲れているようなのだ。私のブログに書いた『蒋麗』のように!

 

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彼女とディズニーランドに行ける日は来るのだろうか?

アラフォー男子の恋心(レジ編)

  いつも買い物にいくスーパーマーケットのチェッカーチーフAさんが、知らないうちに異動していた。サブチーフの頃から数えて、5年間もいたことになる。最初、レジのMさんが好きになって、何度も話しかけていた。真面目で可愛くてロリ系でお姉さんが私の恋心の導火線である。この4つが揃うと、恋愛感情のビックバンが起こる。

  Mさんと話して喜んでいると、それを険しい顔で見ている女性が目についた。それが今回、異動したAさんである。レジで会計を済ましていると、私のことを真直ぐに睨みつけてくるAさんの姿に気づいた。感情をはっきりとストレートに示してくる彼女が眩しく見えた。

知らないうちに、Mさんに言い寄ることで、Aさんに構って欲しいという奇妙な三角関係ができていた。Aさんはそのたびに、怒りが抑えられないというていなのだ。いつぞや、ドアを大げさに強く開けてきた時は嬉しかった。

「夫婦共々60歳を過ぎまして、いつも近くのベルクを利用しております。
先日、チェッカーチーフの方が、見掛けるとすぐに来て、優しく大丈夫ですかと重たい買い物カゴを、カウンターに運んで頂きました。ものごとによく気付くしっかりした気持ちの良い人だと妻も感心しております。レジのスタッフにも小まめにアドバイスをしているのを見かけます。言われたスタッフも楽しそうに笑顔でいて、皆、いい雰囲気で仕事をされているようですね。また、サブチーフの方のストレートな働きぶりに、上京間もない若い頃の情熱を思い出し、涙腺の緩むこともしばしばです。小さい会社を経営していたこともあり、行くたびに頭が下がる思いです。指導が行き届いているのでしょう。気持ちよく買い物をさせて頂いております。話によると、埼玉の方に多くお店があるそうで、中には、千葉から働きに来るスタッフもいると聞き大変だと思いました。けれども、人の心と人の心の触れ合いを大切にするベルクのようなスーパーが、これからもっと多く広まることで、豊かな地域社会を育んでいくことを信じています。頑張ってください!」

と本部の広報課にメールした。折り返し人事部長から喜びのメールがきて、全従業員の励みになりますと長文をいただいた。Mさんがいなくなると、新店に行ったことが、ネットのチラシでわかり、その店に行くことにした。

 サービスカウンターにMさんがいた。若いパートナーさんが聞いてくることに、困った顔をして答えているところだった。新店だから一から教える必要があって大変なのだろう。私の顔を見ると、あれっという表情をしてから、ぱっと明るくなった。幸先がいい。

 新店はどうですか? 慣れていない人達が多いから、大変なことが多いかなというような、当たり障りのない常識的な立ち話をしてから、私は本題に入った。

「両親のこと良く面倒みてくれたじゃん。悲しんじゃってさぁ、菓子の包みでも渡したいわねというから持ってきたよ」

「いりません……」

 警戒心を露わにして、断固たる決意があった。

「ボケているんだよ。親がボケているんだよ。悲しむなぁ。そんな風にしか思われていなかったなんて、辛いですよね」

 辛いですよねという言い方は、女性が感情を込めて口にするような高い声を意識した。ふと警戒を緩めて、彼女が笑った。

「先週の日曜日にも来たんですよ。近くで友人の結婚式があったから……、でも、いなかったんです」 今度は、できるだけ冷めて落ち着いた言い方をした。「でも、グリーンウォークだって大きいじゃないですか? 別にそこでもいいと思うけどなぁ」

 と真面目に話かけると、やはりMさんらしく、挑むようなキツイ眼差しを向けてきた。新店は初めてなんで!

 サヨウナラと菓子の包みを置いて立ち去った。中には手紙を入れておいた。

「新店である座間栗原店への栄転おめでとうございます。新店の広告に顔写真入りでMチーフのことが紹介されていました。高齢の両親も、良く気付く感じのいい人だったのにと残念がっております。私も笑顔がとてもステキな人だったので残念で仕方ありません。
先月、小説『金閣寺』の舞台を巡る旅中で、映画コナンのエンドロールの情景である渡月橋を渡り、小督の局の墓にお参りしました。『平家物語』で身を隠した小督を追う仲国は、「を鹿なくこの山里のさがなれば悲しかりける秋の夕暮」と在原業平が詠んだこの地で、微かに響く琴の音を頼りにありかをみつけることができたとされています。
近くの亀山公園には、百人一首の石碑が、松の木陰、砂利道の道端、茶屋の暖簾下等、無造作に置いてありました。天皇への禁じられた恋心を「鳰鳥の潜く池水こころあらば君に吾が恋ふる心示さね」という歌に表した作者の魂が、800年の時を経て私の心の琴線に触れます。
本日は、驚かせてしまい申し訳ございません。栄転であっても、新店による年末年始は大変だと思います。どうかお身体にお気をつけて頑張ってください。私も頑張ります!」

スーパーに顔を出すと、サブチーフだったAさんがチーフになっていた。私は嬉しかった。彼女は一緒に異動したと考えていたからだ。それから、私はAさんに何度も言い寄った。食事も誘ったこともあるけど、もちろん断られた。38歳と23歳では15歳も年齢が違うのだから、無理なはずだろう。誘ってからスーパーにいけなくなった。また広報部にメールすることにした。

「サービスカウンターを最近までよく利用しておりました。
Mチーフに会うたびに、亡くなって星になった彼氏のことを思い出します。男女の違いはあっても、曲がったことを嫌う感じがよく似ているんです。
繁華街で酒の入る仕事をしていて、ネオン暮らしが長引くほど、気持ちを真っ直ぐ向けてくる人に幸せを感じて弱くなってしまいます。私もグレずにMさんのように生きていたら、今頃、幸せなお母さんになれたのかなぁって思います。
夜の仕事から足を洗って出直そうとした矢先、明るく健気に働くチェッカーの方達に出会いました。ステキにまぶしくて、それがとても羨ましくて、新天地の函館で、彼女達のように頑張りたいです。
大好きなベルクさんは、心と心の触れ合いを大切にした真心ある姿をいつまでも大事に守ってあげてください!応援しています。星に願いを込めて…」

 Mさんに今度の休みに会いに行ってみようか。おそらく海老名にできた新店だろう!

 

 

女性にモテる普遍的方法を試してみた

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モテない男子が劇的にモテる普遍的方法があるというからこの際試してみた。

 ツヴァイの日比谷店でまたもや出会いのセッティングサービスを利用した。今回の相手は、ゲーム会社の事務の仕事をしている女性である。写真では垢抜けて美しいので期待して待っていると、実際は顔色がとても悪く、広島の田舎からきたというのを地でいく野暮ったいグレーのセーターを着ていた。男性と対面して話すことも今回初めてというから、初々しいと思った。初やつじゃのぉと殿様が扇子をかざして口にする場面があるが、権力を手中に収めると、美女の処女権ももらえないかなと考えるに違いない。

 案の定、数分で、会話がが滞るからCCRな男であろうとしてみた。

compassion(思いやり)、compliments(誉め言葉)、reassurance(安心させる)ということだけを考えて、とにかく相手のことを聞き出す。

「広島から出てきて大変なことはありませんか?」

「兄が一年前までこっちにいて一緒に住んでいたけど、結婚することになって地元に帰ったんです」

 生活力があって、意思も強くて、実家暮らしの私からすると頭が下がります。写真でみて綺麗な方だと思って申し込んだんですけど、実際にお会いすると、さらにお綺麗なので言葉に窮してしまいます。お綺麗ですねとお世辞を次々と無理してでも繰り出す。

「なぜ、こっちの大学に出てきたんですか?」

「ゲームやアニメ関係の会社は東京と横浜に集中しているから」

 楽しい会話になってきた。私が高校まで野球をしていて、映画や純文学が好きでという話をした。彼女が空手をしていたことがあるというと、凄いと相槌を打ったあたりからおかしくなった。

 彼女は、小さい頃から、ゲームとアニメを支えにして今日まできたのだ。その感謝の気持ちから、ゲームやアニメの会社に就職して、誇りをもって働いている。しかし、野球、映画、文学を趣味とするような人からすれば、アニメもゲームもマイノリティーであり、オタク文化だと白い目を向ける人が多いだろう。

 放課後は友達とゲームをして遊び、帰ってからは、部屋でアニメを見る生活、そのものが彼女の支えだとすれば、私の生き方は、優越的な物言いを許してもらえれば、反体制側、アンチに属するのだろう。

 とにかく聞き役に徹することはしんどいけど、CCRな男になろうとしたことで見えてきたものがある。今までツヴァイで会った人達のほとんどは、中学・高校と部活未経験者ばかりであったこと。自分に自信が特に持てない人達ばかりなんじゃないか? 話の途中で押し黙ってしまう者、怒り出して席を立つ者、そのたびに私は自分の不器用さを恨んでいたけど、違うのではないか? 我々は自信を失うと、友人の些細な一言でも傷つき、いても立ってもいられないほど苛々するものだと三島由紀夫が話していた。自信がなければ、婚活以前に、人と付き合うことすらできなくなってしまう。私に出会ってくれる女性達は? そうなのかもしれない。致し方ない。振られたけど、答えがみえた気がして少し癒やされた。朋○さん! ありがとう。そして、どうか幸せに!

 

『キャッツ』結婚に性欲はどれだけ必要?

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(帰りはいっぱいで狭い通路をゆっくり歩くことになる。)

 長らくメールでやりとりしていた女性と初顔合わせでキャッツに行くことになった。最初は乗り気でなかったメール交際も、半月ほど毎日続けることになった。そのために要した時間を無駄にしたくない意識が働いて、相手となんとか付き合いに発展させたい願いが芽生えるものだ。

 喫茶店の前で待ち合わせたら、思った通り色気の薄い人がきた。全然気兼ねなく普通に話せる感じである。変に緊張することなく、キャッツ劇場まで連れていった。

 目黒、横浜のキャッツ劇場で観劇したことはあるが、大井町では始めてである。ずっと同じだと観客動員が頭打ちにでもなるのだろうか?

チケット流通センターで購入したとあって入場できるか不安であった。待ち合わせの時刻1時間前の午前11時に大井町に着き、キャッツ劇場への道のりの確認する際、誰もいないスポーツエンターテイメント施設内を散歩したが、12時40分になると、幾人かがロッククライミングに挑戦している姿が見えた。

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(オリンピック需要を見込んでかロッククライミングをやる人意外と多し)

f:id:nyoraikun:20190613154017p:imagef:id:nyoraikun:20190613154036j:image(波が出てサーフィンの練習ができるらしい)f:id:nyoraikun:20190613154050j:image(バッティングセンターで久し振りに打ちたいけど、汗臭くなったらマズイからやめよう💦)

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(コンピューターで各場面を精密に管理しているのだろう。照明が違ったりマイクが入らなくなったりしたら記事で散々叩かれるぐらい大変だろうな)

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「すべてが大きく作られていますね?」

「猫の目に合わせているんでしょう」

 と下を向いて、暗い様子であった。婚活疲れの典型的な雰囲気である。何度も出会いと別れを繰り返していると、誰だっていびつになってくる。まして彼女はツヴァイ歴3年以上というのだから……

 婚活では、容姿・性格・健康度・能力・学歴・年収・社会的地位・肉親・結婚後の生活形態などあらゆる角度からの「全方位的評価」がされるため、断られると「全方位」から否定されたような気持ちになることで、疲労が蓄積してくるというようなことを、『婚活疲労症候群』という本に書いてあった。

 福祉施設には年に一度プレゼン大会があって、各支部から入居者に対する取り組みを発表するそうだ。認知症の頑固でスタッフを困らせていた入居者が3ヶ月かかって風呂に入るようになってくれた過程をプレゼンしたところ銅賞の劇団四季のチケットを受賞して、『クレイジーフォーユー』を観に行ったことがあったそうだ。夜勤明けで眠くて、ほとんど寝てしまってもったいなかったということを、ぼそりと呟いていた。 金賞に輝いたのは、障害者施設の子供達と地域との触れあいの取り組みをプレゼンした支部であったということだが、営利団体である以上は、会社の収益やイメージアップに貢献したチームを賞賛することになるのは否めない。

 キャッツは、それぞれの猫のキャラクターが2時間弱の舞台鑑賞ではっきりとわかるし、どれも魅力的で、人間なのか猫なのかわからない感覚になるほど、それぞれの動きが洗練されている。猫の世界に誘うミュージカルであり、エンターテイメントで片付けられるものではなく、舞台芸術の最高峰にある作品であるとしたい。発展途上国でこの内容ある作品を上演するのは無理であろう。日本の文化、経済、教養体系の習熟があってこそなしえるもので、日本の誇りである舞台作品である。

 トリを飾るのは、今まで愉快に舞台上を踊り歌っていた花のある役者達でなく、ぼろぼろの服を着て、皆に忌み嫌われる娼婦猫が歌う『メモリー』というのがとてもいい。皆が静まり返る中で、美しい歌声一つで観衆を魅了するのだ。

 帰りに夕食のため居酒屋に入り、彼女は、馬刺し、揚げ出し豆腐、チャーハンを、私はまぐろ・トロサーモンの刺身、トマト、ご飯を頼んだ。どれも量が多かった。生ビールは大ジョッキで出てきて、飲み干すと酔っ払ってしまった。彼女は普通に飲んで平気そうだった。

 性格はこれ以上ないほどしっかりしていていい人であった。しかし、女性はやはり意地悪で嫌なものであるという固定観念が消えない。性欲によって一時見えなくなるけど、醒めた頃には、何でこんな人と一緒にいるんだろうと後悔することが大体なのだ。彼女は無理して、従順な表現でそれを隠す術を身につけているのだろうと考えると、素顔が隠されているようで、私もどこか口ごもってしまうところがあった。

 男女の間を取り持つのに、性格の一致と同じぐらいセックス(性欲)は大切なのだろうか? 考えるだけで悲しくなる。

婚活 30分の一期一会

 f:id:nyoraikun:20190608210820j:imageツヴァイの女性と1対1で会うのも今回で8人目ぐらいになるのかな。出会いのセッティングサポートも30分会ってサヨナラの繰り返しなので、多摩センター駅から日比谷まできていつもしんどいです。帝国タワーのすぐ近くに、マグロの初競りで最高値を付けた会社、すしざんまいがあるので、終了後、食べることにした。

f:id:nyoraikun:20190608210839j:image 女性は香川出身の早稲田大卒で、人材派遣の仕事をしているということしかわからない。インプレッションマッチング(顔写真で選ぶ形式)の出会いだったから、予備知識があまりない分、上手くやりとりができるか不安であった。彼女は時間ちょうどに現れた。自分が黙っていると、すぐ沈黙が続き、バイバイになりそうな雰囲気になった。意図的に質問を続けることにした。下手に話そうとすると、意味不明なことを口にして、さらに相手の心を閉ざすことになってしまう。

 好きなミュージカルはキャッツでぴったりだった。早稲田のミュージカルサークルで舞台に1年ほど立ったことがあったそうだ。猫の世界に入った気になりますよねと当たり障りないコメントであった。それ以上に深い彼女の言葉を待っているのだが難しいものだ。私が禿げていなくて、若くて、爽やかで、社会的地位の高い仕事をしていれば、簡単に心を開くことができるのだろうか? 私には人生経験と言葉とギャラントリーがあるじゃないか。

 目を細めて笑う時、相手の下心をじっと見てくるようで、挑戦的な可愛さがある。油断すると彼女の意図通りにのせられてしまうような警戒心も少し抱いた。

 東野圭吾の『手紙』という映画がいいそうだ。犯罪加害者の家庭を描いているらしい。質問をしても、ちょっと答えて終わりが続くのはシンドイ。

プロ野球阪神を応援していると話すと、例外なく東京なら巨人じゃないのと聞き返してくる。幼い頃から、父親が熱狂的な阪神ファンだった影響で、それ以外は考えられない感じだと言ってもわかってくれない。野球はもともと東京、大阪周辺にほとんどの球団があって、観たいなら近くにホテルを予約してくればというぐらい殿様商売だったところがあったけど、近年趣味の多様化によって、他のスポーツと同じように地域密着路線に乗り出して、北海道、仙台、福岡などに本拠地を移していったのだけど、それでも半信半疑という顔をしている。

 香川からきて食生活に戸惑いはあったかという質問は、食品を販売する私の分野でもあるので、話が弾んできて楽しくなってきた。食べるという話題は普遍的であるし、旅行先で食べたもの、食生活の違い等、話題が豊富であることに気づいた。本場の讃岐うどんを食べたいなぁという言葉は、素直であるゆえに、彼女は素顔で笑っているようだった。

 韓国で食べ歩きをした話を彼女がしてきたので、衛生面は大丈夫ですか? と聞き返した。横浜中華街の店頭のテーブル上で、肉まんなどを常温で販売しているのをみて、食べるのをやめた話をした。このコミュニティーでこんな不衛生なことがまかり通っているのだから、他の店の衛生管理にまで不安が及んでしまうんだ。東京湾で潮干狩りを尻目に生かきをとって、中華煮にでもしているんじゃないかと首を傾げてしまったよと笑うと、食品を販売する仕事をしているからねと納得しているようだ。ある意味、会話は想像力のクイズでもあるから、多くの納得を積み重ねていかないと信頼されないし、会話下手の婚活は難しいのかもしれない。

 旅行の話では、昨年と一昨年では京都と奈良に行ったこと、日帰りでは、鎌倉と江戸東京博物館に行ってきたこと、飛鳥時代奈良時代平安時代鎌倉時代、江戸時代の史跡を目にして実感してみようと考えたこと。明日香村で飛鳥時代の史跡に触れようとしたけれど、聖徳太子が生まれた寺はボロボロで、ほとんど何も残っていないし、寄付募集の張り紙までしてあったのは、想像力に物乞いしている状況だとも説明した。飛鳥寺も仏像が一体あるだけだし、古墳は林にしか見えないし、あれでは外人はきて何もわからない。よほど勉強しているか、想像力が強い人でないと、楽しめないでしょうと話した。京都では嵐山の渡月橋近くにある、平家物語の『想夫恋』における小督の局の墓を訪れたこと、五右衛門が山門の欄干に足をかけて言ったことで有名なところなのだが、何を言ったかと興味を持ってもらったのに忘れて答えられなかった。

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言葉に窮して、相手が左手の子指に指輪💍をはめているのをステキですねと大袈裟に褒めてみた。幸せが入ってくるようにつけていて、右手の子指には幸せが逃げないように付けるそうだ。「右手には付けていないのは幸せじゃないんだ」と言うと笑っていた。この後、買いに行こうかと冗談が出てこないのは頭が堅いなぁと自分自身思う。

 帰りは下の入口まで一緒にいって、挨拶をして別れた。私が振り返ると、渋い顔をして私を見ている。理解の外なのかもしれないな。山門と欄干からの景色を写メしてまた話したい旨をLINEしたが、今回も既読スルーで終わりそうだ。現在、21時00分、やはり返事はこない。

 帰りに上野駅で降りてパンダを撮影した。

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ヨドバシカメラの前、ポケモンハンター多すぎ!

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ツヴァイ4、5人目 ダブルヘッダー

 5人目は日比谷のツヴァイセッティングサポートを利用しての出会いである。お互いの連絡先が開示されないまま会って、相性がいいとすれば、連絡先を交換する、場所を移して話しでもするという内容である。 席について16時になる数分前に尿意を催した。この頃、小便が近くなったと思う。カウンターにいるスタッフに断りをいれて、扉口に行こうとしたところで、相手の女性が嫌そうな顔で入ってきた。電車の中で、隣のおじさんがくしゃみをして、顔面にかかった後のような不快さが顔に表れていた。私の方に関心を示さず、自分の中にある葛藤と闘っているような感じがした。無理だなぁと思った。

 私営の図書館に勤めているのは、学生の頃、図書館が居場所だったかららしい。小学校の頃から人と交わらず図書館に入り浸っていた4人目の女性は、文学少女らしい内気な落ち着きが全体から漂っていた。しかし、目の前の彼女は文学を支えにしているような憂愁さが無く、好きな本を聞いても、何も応えようとしないのだ。

「本はあまり読まないです」

 ゆっくりと落ち着きを保つように言った。

「図書館にずっといたんですよね?」

「あの雰囲気が良くていただけです」

「???」

江戸東京博物館が良かったそうですけど、どうでした」

「妖怪だけ見て帰ったのでわかりません」

 市営の図書館じゃないんですね? と聞くと、そこで働くのは、相当勉強しないとなれないと怒り出す始末だった。女性というより、幽霊と話しているような気持ちにさせる。スポーツのルールがほとんどわからないらしく、野球は見たことすらないそうだ。いかなる時でも、CCRの男でなければと、気持ちを鼓舞した。

「あなたの耳飾りは、フェルメール真珠の耳飾りの少女のようですね」

「これ、木でできているんです」

 彼女はつれなく疲れた調子でうつむいた。

LINE IDを交換をしたところで、市役所に行かないとと急ぎ出して、相手は早歩きで帰ってしまった。LINE IDの画面は妖怪の絵であった。

 4人目の女は、人柄がまだわからないので、次回会いましょうということであったが、5人目はイメージしていた人とはちょっと違ったと返事がきた。とにかく、よほどのことがなければ、次回会おうという誘いのメールは入れるようにしている。自分で考えている自分、他人が考えている自分を一致させていこうとする努力は、婚活だけでなく、すべてにおいて変わらない。

敵を知り己を知れば百戦危うからず 孫子

我思うゆえに我あり! デカルト

ツヴァイ婚活4人目

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 4人目の女は、これまた婚活アプリYOUBRIDEによるものだ。ツヴァイにくる女も男と同じく10万円近くを払ってツヴァイに入会している。そして、女性の学歴や年収をみても平均より高く、真面目に生きてきて恋愛経験が不足している分、男性に求めることが高いと考えた。年収も社会的地位も低い女性が集まっているところは、相談所ではなく婚活アプリである。私の年収は450万円ぐらいなので、ツヴァイより楽天オーネットの方が良かったのかもしれない。

 地元の市川駅に来て欲しいということで行くことにした。小説を読むのが好きで、最近は小説を書き始めたということだった。市川由衣に似ている、学生の頃、海外留学をして、ネイティブと間違えられたという自信をほのめかせている書き込みがあったから、高慢なお嬢さんを想像していた。

 多摩センター駅の近くに住んでいる私は、千葉県の市川駅まで2時間ぐらいかかる。夕方の16時からは、ツヴァイのセッティングサービスで5人目の女と日比谷店で会うことにして都合を良くしておいた。午前10時に市川駅に着いたので、待ち合わせの11時30分まで駅前の喫茶店で休むことにする。今日からはヴァーベナの香水をつけることにした。婚活セミナーの講師から、アラフォーの男性は、首回りが臭いからつけた方が絶対にいいという話を聞いた。口臭もマズイから緑のブレスケアをつかうようにということ、食事した後はリンゴジュースを飲むということ等を取り入れることにした。

 びゅうプラザの前で待っているとメールが入る。会うと、35歳というだけあって、厚化粧で顔が白くはなっているが、目鼻立ちは整っていて美人ではある。けれども、性欲が強く刺激されないのは、痩せすぎて不健康な印象を受けるからだろう。

はじめまして、お会いできて嬉しいですと話かけた。か細い声で、ええと応えた。幽霊のようで存在を感じられない。覇気がない。彼女の好きでおすすめの映画、『めぐり合う時間たち』の世界にいるような夢うつつのような気持ちにさせる。お話できる場所に喫茶店なんかを考えているけど、ここ辺り詳しくないのでオススメの落ち着ける場所はありますか? と聞いてみた。ファミレスならと力ない声で歩き始めた。私が彼女の横顔をちらと見ると、何?と好奇な目を向けられていることに不快感を示した。市川駅の南口を出ると、大きなマンションが両サイドに2棟建っている。左手の狭い道を歩いていくと、少しの坂道にもエスカレーターが備えられている。迷路のように入り組んだところを右に左に行くと見慣れたサイジェリアの看板があった。

空いているファミレスは、ルノアールなどの喫茶店よりプライベートの会話がしやすい。着席して天気、普段の仕事の内容、休日は何をしているかとありふれた話題を終えると急に話すことがなくなった。沈黙がテーブルの上を占めると、何度も水を飲んでいたことで、トイレに行く回数が増える。最近読んだ海外の本に、真にモテる男はCCRだと書かれていたのを思い出した。褒める、思いやる、安心させるという3つを忘れるなという内容だった。それを実行した。

「お綺麗ですね。女優のようですね」

「学生の頃、海外留学されて現地の方達と自然に話されていたというのは、凄いの一言ですよ」

「腸閉塞で入院されて大変でしたね。お仕事は、えっ週2回リハビリも兼ねて働かれているんですか? 無理しないでください。鹿児島から出てこられたそうですが、兄弟姉妹はこっちにいないのですか?」

「従姉と一緒に住まわれているんですね。実のお姉さんは大阪にいて結婚されているんですか。恐竜好きのお子さんだったら、恐竜ショップに行きませんか? お子さんに買ってあげたら、一生忘れないでしょう」

気付いたら4時間も経っていた。以前、婚活アプリで出会った人は、30分もしないうちに、僕は君のような美人の女性は難しいと思うという言葉を残して会計を済まし、店を出るなり走り出したというけど、その気持ちが解る気がした。私が婚活市場でモテるなら、そうしていたかもしれない。数多く振られた中で、稀にお会いしてくれた人だから有り難いのだ。

小学校の頃から、みんなと交わるより、図書館に行って本を読んでいるタイプである。おかしいというより、極度に内向的な女性であった。

 まだ話したそうにしていたが、仕事の理由で市川駅を後にして、日比谷に向かった。

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カテゴリ
阪神タイガース・プロ野球・スポーツ