三島由紀夫
緊急事態宣言が出てから、スーパーの店内が激混みして、鮮魚部に勤める私としてはかつてないほどの疲労が溜まっていた。連日出勤していたため、昨日から3連休がとれることになった。フラストレーションとストレスは、判断を狂わせるものだ。このご時世に、…
「だれだって腕っ節が強くなれば試してみたい。生兵法は大怪我のもとというけれど、私もボクシングをやって1ヶ月もたったら、けんかをしてみたくて困った。日本は原爆被災国として、なおかつ腕っ節の全然強くない立場から、町内の暴れん坊たちの腕くらべに…
政治は私のもっとも嫌悪する世界であるが、ひとつだけいいところがあるのは「政敵」というものがあるからだ。これこそは議会制民主主義の利点であって、政敵のない政治は必ず恐怖か汚濁を生む。政治をいささかでも清らかにするのは政敵の力である。 学者とか…
昭和34年1月1日の読売新聞に掲載されたエッセイは、14年続いた平和な世の中における感想を富士山を例に書いている。 「富士山も、空から火口を直下に眺めれば、そんなに秀麗と云うわけには行かない。しかし現実というものは、いろんな面を持っている。…
令和2年になって、間もなく1月が過ぎようとしている。今年は、三島由紀夫著作の読書、婚活、ブログ、仕事の4輪でいこうと考えている。 先日Trip pertnerというサイトから何故か執筆依頼がきた。調べてみても怪しいサイトではない。しかし、1記事で300…
1、三島由紀夫の紀行文に、熊野の瀞八丁をプロペラ船に乗って見て回るというのがあったから、私も熊野本宮神社を参拝した後に行くことにした。志古から乗ると往復で1時間55分、小川口から乗ると、往復1時間ということである。私は小川口から乗ることに…
南紀勝浦の休暇村に行く道の途中で、風光明媚な入江に出会う。休暇村ホテルのフロアにこの風景の絵画が飾ってあった。バレーボールでもしているのかという生徒のかけ声がどこからともなく聞こえてくる。素晴らしい自然の中で、その恩恵を受けて生活している…
1,車は那智のお社の鳥居の前に着き、二人は冷房の車を下りて、面へいきなり吹きつける暑熱の気によろめきながら、杉木立の木漏れ日が熱い雪のように霏々と落ちている参道の石段を下りはじめた。 (三熊野詣より) 2.今や那智の滝は眼前にあった。岩に一本…
鳥羽水族館から歩いて10分ぐらいで、佐田浜港に着いた。マリンターミナルの待合室に座っていると、NHKで大相撲を放映している。やはり国技というもので、日本国中で場所中は毎日放送しているのだから、その位の高さに今更ながら驚く。 待合室で可愛い女子…
1.9月9日(月)の始発で京王多摩センター駅から新横浜駅に行き、午前中には鳥羽港を経由して、神島に着くはずであった。しかし、前日夜から台風が関東平野に上陸したため、電車が10時になるまで運行せず、鳥羽に着いたのは、午後3時であった。次の神島…
三島由紀夫の『金閣寺』に出会ったのは、大学1年生である。梅ヶ丘商店街の地下にある書店であった。今から20年前、スマホもなかった当時は、梅ヶ丘駅周辺にいくつも本屋があり、多くの人が立ち読みしていた。コンビニのバイトをしていたけれど、人間関係…
川端康成が受賞することを、むしろ三島は喜んだと思う。日本の美しい古典からインスピレーションを受けて書いてきた川端が受賞することは、同じく日本文化の井戸の深遠の底にとぐろを巻く蛇からインスピレーションを受けて、文学に命を懸けてきたという三島…
財務省金融局の末席で机を向かい合わせて仕事を毎日している幸男と秀子の二人が、毎週日曜日にデートをするという話である。もう少し給料が高ければ結婚できるのにというような会話が二人の間にある。 「2人はさっき自分たちがのぼってきた九十九折を、どん…
昨秋に会社から4日間の長期休みを得て、三輪山を登拝してきた。三島由紀夫の文学が好きで、その舞台となった場所を、巡る旅を時間が取れると続けている。豊饒の海全4巻のうち第2巻の『奔馬』に三輪山を登る場面が描かれているのだ。 狭井神社の社務所で手…